元銀行員ブロガーのRyoheiです。
早くも四度目の寄稿となり、メガバンクでの社畜時代の話を思い返しながら、楽しく書けている。
自分の社畜時代の経験や教訓が反面教師となり、多くの人の参考になれば幸いだ。
さて、今回は、僕の『残業地獄』の話をしようと思う。
残業と聞けば、多くの社会人がまさに頭を抱えて悩む問題だろう。
僕も大多数のサラリーマンと同じように、残業に苦しみ、解決策を模索していた。
この記事では、そんな僕の残業地獄の実体験と、そこから脱出する為の考え方を書き起こしてみた。
あなたがまさに、残業にもがき苦しんでいるなら、ぜひじっくりと読んでみて欲しい。
会社に残り続けるという『他人の時間』を減らし、『自分の時間』を取り戻して行こう。
では、さっそく進めていきたい。
メガバンクの残業地獄の実体験
法人40社相手に激務&激務の日々
あなたも聞いた事ある話だと思うが、銀行員は『激務の象徴』とも言える存在だ。
銀行員と聞けば、忙しそうなイメージは、多くの人が持っているだろうし、それは間違っていない。
ノルマの厳しさに、退職する人も多いのが現実だ。
特に僕の職務だった『法人担当』は、その中でもさらに多忙な部類に入るだろう。
法人担当とは、会社を相手に営業をする職種。
社長や財務担当の人と話しながら、融資や預金、決済や運用などのお金周りの提案をしていく。
なぜ、法人担当はそこまで忙しいのか。
理由は単純で、『あまりにやる事が多いから』である。
法人営業は、一人で何十社も担当する。
そのなかで融資に限らず、預金や決済、外国為替、運用相談など、 1社にかかる仕事量が尋常ではないのだ。
担当の会社から電話がかかって来ない日は無く、毎日なにかしらの相談や依頼、問い合わせを受ける毎日。
そして、それぞれの項目には、高いノルマが課されている。(融資のノルマ、外国為替のノルマ、運用のノルマなど…)
正直言って、達成がほぼムリゲーな目標がそれぞれ張られているのだ。
この膨大な仕事量をこなすため、銀行員は日々バタついている。
昼休憩は、平均5分~10分程度だ。
昼食をとらない人も、珍しくなかった。
それでも、やる事が多すぎて残業からは逃れられない。
僕も一人で40社担当しており、まさに終わらない残業地獄の日々だった。
銀行員には肉体労働は無いが、業務量という目に見えない重圧が尋常でないのだ。
書類は全て持ち帰り不可。職場から離れられない『ジレンマ』
そしてもう一つ、銀行員が残業地獄におちいってしまう大きな理由がある。
銀行員は、『仕事の持ち帰り』がいっさい出来ないのだ。
当たり前だが、銀行で取り扱う書類はどれも超個人情報なので、全て持ち帰り不可だった。
そのため、家に帰って一息ついてから仕事する事もできない。
職場から離れる事ができず、 ひたすら会社に残って残業をしなければいけないジレンマにおちいるのだ。
もちろん『働き方改革』などの話で、「仕事の持ち帰りはいかがなものか」という議論はよく見かけるし、仕事の持ち帰りをOKとしてしまうと、本当にゆっくりと休める時間が無くなってしまうという意見もよくあるだろう。
確かにそれも分かるが、まったく持ち帰りをOKとしてもらえない会社の人間からすると
『会社で全てを終わらせないといけない』
というジレンマは、言葉にできないほど辛いのだ。
リラックスする事もできず、疲れがたまっている状態でなお、残業をしなければいけない。
生産性が上がる事もなく、仕事の質がどんどん落ちていく。
そして、これらによって起こる事態こそ、『会社にいる事が日常になっていく日々』なのだ…。
会社にいる事が日常になっていく日々
多くの銀行員と同じように、僕も激務すぎる仕事量と、職場から離れられないジレンマにより、毎日は仕事中心になった。
仕事の事を考えられずにはいられなくなり、会社にいる事が日常になっていったのだ。
定時上がりなど考えられない。
日々の業務と残業が、常にセットになっている日々。
サービス残業も当たり前のように行われていた。
残業時間はPCのログイン・ログアウト管理なので、PCを消してから、ミーティングなどをやっていた。
あまりの多忙により、『サービス残業で良いから仕事させてくれ…』 とボヤきだす同期を見た事もあった。
そして古臭い会社にありがちな、『上司が帰らないと、帰りづらいプレッシャー』だって、当然のようにあった。
職場の誰もが、朝早くから出勤し、そして夜遅くまで帰ろうとしない。
仕事をしているのか、時が経つのを待っているのか分からない状態だ。
早い時は朝7時には会社におり、23時に家につくような日々……。
寝る時間以外のほとんどを、会社で過ごしているような毎日だ。
そうして僕は、ついに会社にいる事が日常になり、 家にいる事が非日常になっていくという最悪の悪循環におちいってしまった。
生きているのかも、死んでいるのかも分からない……。
生の実感がなく、自分が無機質なものになっていく感覚……。
貴重な20代の3年余りをこのように過ごしてしまい、僕は本当に悔いが残っている。
仕事の出来は『時間×質』で決まる
僕の残業地獄の実話は、ここまでだ。
死んだように生きた結果としては、最終的にうつ病になってしまったが、その辺りはあなたの想像に任せたい。
さあ、ここからは残業地獄を抜け出す術について、考えて行こう。
サービス残業が日常になっている人は、一度頭の中をクリアにして、ゼロの状態から考え直して欲しい。
仕事の出来は何で決まるだろうか?
僕の考える式は、『時間×質』だ。
あまりに時間をかけても、自分が集中していなければ決して良い出来にはならない。
あなたも社会人経験があれば、こんな体験があるだろう。
まったく集中していない時に全然はかどらなかった仕事が、気分を変えて集中して行ったら、あっという間に終わってしまった体験が。
そう、まさにこれなのだ。
仕事を終わらせるために時間を求めるのではなく、 質を上げる意識に変える事。
それこそ、残業地獄から抜け出す、最初の一歩だと僕は思う。
特に残業ありきになると、仕事の質は愕然と落ちてしまい、 悪循環になってしまう。
「今日も23時に帰ればいいや」
と最初から決めてしまうと、結局だらだらした仕事しかできなくなってしまうのだ。
だからこそ、改めて考えなおして欲しい。
仕事の出来は、『時間×質』で決まる。
「時間をなるべく抑え、質を求める発想に変えていく」という小さな発想が、大きな違いを生み出していくだろう。
まとめ:残業地獄から抜け出して、仕事の質を上げて行こう
いかがだったろうか。
今回の記事で一番伝えたいのは、『時間ではなく質を上げていく』という発想の転換だ。
質を上げる方法は、けっして一言では語れないだろう。
仕事のゴールまでの段取りをしっかりと見定めるのも、質を上げるための大事な要素だ。
職場の人間関係を良好にしておくのも、質の向上に繋がってくる。
成果を上げて、早帰りの信頼を勝ち取るのも、必要だろう。
定時を仕事のタイムリミットと心がけて、周りに流されず自分のペースを作っていくのも重要だと思う。
どうやったら仕事の質を上げて行けるか。
それをあなたに考えてもらうきっかけにこの記事がなれば、何よりの幸いだ。
最後に、もう一つだけ、あなたに伝えたい事がある。
人の死ぬまでの時間というものは、長短はあれど、それぞれ決まっている。
つまり、『時間とは、命そのもの』だと思って欲しい。
残業地獄におちいる事は、他人に自分の時間を渡し、みずからの命を削っているのに他ならないのだ。
だからこそ、あなたも『自分の時間』を、改めて真剣に見つめ直して欲しい。
僕はきちんと見つめ直す事もせず、仕方ないものだととらえ、貴重な時間をただ失ってしまった。
特に10代、20代のうちは、自分が歳をとるなんて上手く想像できないと思う。
僕もそうだった。
今この瞬間が、ずっと続くと思っている人もいるだろう。
だが、どうか気づいて欲しい。
時間は永遠ではない、残酷なほど有限だ。
残業地獄が日常となり、いつの間にか歳をとり、愚痴ばかりこぼすつまらないオヤジになっていく…。
僕はそんな人達を、実際にこの目で見てきた。
あなたにはそうなって欲しくない。
だからこそ、もっと真剣に見つめ直して欲しいのだ。
そして、既に転職を考えているのであれば、ここには転職サイトのまとめもある。
もちろんすぐに転職をしようと思っていなくても、今後の参考になる情報がたくさんある。是非参考にしてほしい。
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また、残業時間を減らすための記事もあるのでこちらも良かったら参考にしてほしい。
残業地獄から抜け出し、自分の時間を取り戻すためにも、仕事の質を上げて行こう。
それが、僕からあなたに伝えたい、何よりのメッセージだ。
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この記事を書いた人
名前:Ryohei
説明:元メガバンク銀行員の27歳。 支社〜本部にて法人営業の後、自由を求めて独立へ。
カネや株式投資、働き方について発信していきます。
ブログ:BANK ACADEMY
twitter: @ryoheifree
管理人:☆←ヒトデの一言
- これが本当に自分に向いている仕事なの?
- 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
- そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
- 今の職場で駄目なのは才能云々では無くて、ただ単に自分がポンコツなだけなのかな……
そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします