こんにちは、Shinと申します。
普段は外資系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして働きつつ、「Outward Matrix」というビジネス関連ブログを書いたり、仕事に関するオンラインコミュニティを運営したりしています。
この前、
自分の将来が不安な方へ!「自分の値段」を上げる一番簡単な方法を教える
という記事を書きましたが、
今回はさらに一歩踏み込んで、「自分の市場価値」について、最近大ヒット中の「転職の思考法」という本を参考にしていきます。
転職を考えていようがいまいが、キャリアについて考えるきっかけとなる素晴らしい本です。
ぜひ読んでみてください。
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「会社に依存しない人」「会社にしがみついている人」の分岐点
この世界には、大きく分けて2種類の人が存在します。
- 会社に依存せず、どんな場所でも生き生きと活躍できる人
- 今の会社がつぶれたら路頭に迷うしかないため、会社に必死でしがみついている人
もちろん、みなさんは前者になりたいと思います。
では、その違いはどこから生まれているのでしょうか。
「いいか。君に必要なのは、まず、自分のマーケットバリューを理解することだ。
マーケットバリューとは、市場価値のこと。
市場価値とは、その名の通り、今の会社での価値ではなく、世の中からみた君の価値、君の値段だ。
もしこの世の中に、会社が潰れても生きていける大人と、生きていけない大人の2種類がいるとしたら、両者を分けるのは何か。それが、『上司を見て生きるか、マーケットを見て生きるか』だ」
ただただ上司の顔色を伺い、会社の方針に従っているだけなのか、
今の自分はどのような経験や知識、スキルがあり、それを会社に売り込む代わりに給料をもらっているのか、
その考え方の違いひとつで、市場価値には大きな差が出ます。
市場価値があれば、ひとつの会社に依存する必要はありません。
いつでも自分の好きなように会社を移ることができますし、独立することもできます。
あえて会社に在籍し続けて、結果を出しつつ正当な待遇を享受するのももちろんありです。
結果として、とても自由で楽しい働き方を手に入れることができるのです。
しかし、もしそうではなく、
会社の言いなりで、自分の価値について考えることもなかったとしたら。
その人は、会社から見て「使い勝手の良い、かつ使い捨て」の人材となってしまいます。
では、「自分の市場価値」はどのように決まるのでしょうか。
「転職の思考法」では、市場価値は次の3つの要素の掛け算で決まる、と説明されています。
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性
これだけではなんのことかわからないですよね。
ひとつずつ説明していきます。
要素1:どんな会社からも必要とされる「技術資産」
『転職の思考法』では、「技術資産」について次のように説明しています
「技術資産とは、その名のとおり、価値のある技術をどれくらい持っているか? だ。そして、 技術資産は『 専門性』 と『 経験』 でできている」
「専門性」は職種に近い概念で、営業やマーケティング、会計、プログラミング等が該当します。
「経験」は職種には紐付かず、チームリーダー経験や子会社の経営経験、プロジェクトリーダー経験等が該当します。
「あなたは何ができるの?」
と聞かれたときにぱっと出てくるものが「専門性」であり、
「あなたはどんなことをしてきたの?」
と聞かれたときに出てくるものが「経験」になります。
専門性だけを磨いても、それが経験と紐付いていないと「ただの頭でっかちな人」になりますし。
逆に専門性無しで経験だけあっても、「口がうまくて度胸があるだけの人」になるかもしれません。
両方大事なのですが、この本の中では「20代で専門性」「30代で経験」という順序で身に着けることをすすめています。
この流れ自体は納得できますが、せっかくならば今この瞬間から両方磨いていくように努力できるといいですね。
要素2:どんな人からも可愛がられる「人的資産」
次に説明されるのが「人的資産」です。
「どの業界にも、人脈だけで仕事を引っ張ってこれる人がいる。その人だからこそ動いてくれる社内の人や、指名で仕事をくれる人間。これが『人的資産』だ。たとえば、君がもし転職したとしても、変わらず仕事をくれる人はいるか?」
「愛される力」とも言い換えられるかもしれないですね。
- どれだけ高い能力があるか
- コミュニケーションスキルがあるか
- 等々によりこの力は上下しますが
なんというか「天性の愛される才能」というのもありそうですね。
逆に、いくら仕事ができても
(この人とは仕事したくないなあ……)
という人もちょいちょいいます。
若いうちは人を動かすケースはそこまでないかもしれませんが、徐々にこの力は比重を増していきます。
自分がまわりに愛される存在なのか、疎まれる存在なのか、
メンタルが安定しているときに、直視してみてもいいかもしれませんね。
要素3:能力に関係なく高い給料がもらえる「業界の生産性」
最後に大事になってくるのが「業界の生産性」です。
「業界の生産性?」
「言い換えれば、その業界にいる人間が、 平均一人当たりどれほどの価値を生み出しているか。
よく使われる言葉でいうと、一人当たりの粗利に該当する。
そして、給与の期待値、つまり、 マーケットバリューというのは、『 業界の生産性』 に最も大きく影響を受ける。
たとえば、この国の一人当たりのGDPは約400~500万円だが、これを産業別で見たとしよう。
金融業界、飲食業界……さまざまな業界があるが、産業別のGDPは最大何倍違うか知っているか」
「いえ……まったく想像がつきません」
「最大で 20 倍近い。この差はきわめて大きい。
仮にいちばん低い産業の、一人当たりの粗利が1000万円だとしたら、いちばん高い産業では2億円。
これだけ違う。粗利はそのまま、給料の原資だ。
つまり、そもそもマーケットバリューというのは、どの業界を選ぶか? で圧倒的に上下する」
いくら個人ががんばっても、その業界の景気がお話にならないほど悪く、
競合と価格競争をしまくり、人件費を下げまくり……。
という状況だったら、正直どうしようもありません。
いくら優秀な人材でも、もらえるお金は微々たるもの、という悲劇が起こります。
逆に、ぐんぐん業績が伸びている業界に身をおくことができれば、
自身のパフォーマンスはそうたいしたことはなくても、
平均と比較してかなり高い給料をもらうことができます
「そんなの不公平だ!」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、斜陽となっている業界を選び、働き続けているのは他でもないあなたなのです。
もし
「自分には技術資産も人的資産もあるのに、業界の生産性が低いせいで低い待遇に甘んじている」
という方がいれば、一度今後のキャリアについて考えてみる必要があるかもしれません。
自身の市場価値を把握し、幸せなキャリアを掴み取ろう
多くの人が、自身の市場価値を把握していません。
だから、みな
- 「今の会社にしがみつくしかない」
- 「将来が不安だ」
と思ってしまうのです。
実はそうではなく、あなたはあなたしか出すことのできない価値を持っているのです。
そして、それを会社に供給することで、給料を得ているのです。
まず、自分には市場価値があることに気づきましょう。
そして、
「果たして自分は正当な報酬を得ているか?」
「もっと自分の市場価値を挙げるにはどうすれば?」
と問いかけ、行動していくのです。
そうすることで、幸せなキャリアを自ら引き寄せることができますよ。
この記事を書いた人
男性。大学卒業後、志望をしていたコンサルティングファームに就職するも、仕事がまったくできずに落ちこぼれる。その後、オリジナルの仕事術を実践し、結果を残せるようになる。
現在は某外資系コンサルティングファームのマネジャーとして、複数のプロジェクトを管理し、企業の成長戦略業務などに携わっている。
勤務の傍ら、ビジネスブログ「Outward Matrix」を運営。ほかにも、仕事の悩みを解決するオンラインコミュニティ「Players」の運営、外部サイトへの寄稿、講演やセミナーなど多方面で活躍中。
著書に『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた7つの仕事術』(ダイヤモンド社)、『シンプルTODOリスト仕事術』(ポプラ社)がある。
管理人:☆←ヒトデの一言
- これが本当に自分に向いている仕事なの?
- 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
- そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
- 今の職場で駄目なのは才能云々では無くて、ただ単に自分がポンコツなだけなのかな……
そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします