初めまして。ヒラノといいます。(@t_hirano35)
私は不動産業界で働き始めて7年程になります。
皆さんは不動産会社にどのようなイメージを持っていますか?
- 不動産会社で働けば滅茶苦茶稼げる!
- 客として行くと無理やり契約させられる!
- ブラック業界!!
一般的にこんな意見が多いような気がします。
私が最初に未経験で不動産会社で働きたいと思ったのは「稼げる」と思ったから。
求人サイトで
「たくさん稼いでおもいっきり遊ぶ!毎月100万円以上稼げる!」
「毎年社員旅行は仲間達と海外!」
と書いてあってやりたくなりました。
それから時は過ぎ、未経験から不動産営業を始めて不動産業界内で3回転職しました。
不動産業界の良い面、悪い面を私の転職経験を交えてお伝えします。
これから不動産会社で働いてみたいという方はぜひ参考にして下さい。
また、どうしても仕事に行きたくない方はこちらの記事も読んでみてください
未経験で入社した1社目の不動産会社
1社目は求人サイトで見つけた不動産売買専門の「バリバリ稼いでおもいっきり遊ぼうの会社」でした。
海外から始まり日本全国に加盟店がある有名フランチャイズの会社です。
給料は固定給20万円+歩合給。歩合は1件契約すると平均20万円~30万円くらいの会社でした。
入社初日に会社に行くと、社員は10人程で同じく初日の同期が私と合わせ4人いました。
まずは掃除。上司が叫びます。
「新人はトイレ掃除と社長の灰皿セットと先輩の掃除を率先して手伝え!他にも汚れを見つけて掃除だ!気配りが接客にも出るぞ!」
その後朝礼やるから来てと言われ、社内で丸くなって整列。
……。
おはようございまーす!!!(絶叫)
今月なんとしても契約入れます!!3本やります!!(絶叫)
うわー、めちゃめちゃ体育会系やん…。ちょっと引きました。
あとから聞いた話ですが、自分が入社するちょっと前まで罵声とともにガラスの灰皿が飛び交う社内だったようです。恐っ。
段々分かってきた不動産会社の裏側。不動産、やめとけ
朝礼が終わると、まずは物件を全て覚えろと車で1日中周辺エリアをぐるぐる周りました。色々な物件を見るのはとても楽しいし相場も分かって勉強になります。
会社に戻ったらもう終業の18時過ぎだったのですが、みんな黙々と仕事をしている。
いつも何時頃帰ってるんですか?と聞くと、「22時位かなぁ」と。
聞いてないぞ……。
でもそう言うなら仕方ない。俺は稼いで遊ぶと決めたんだ。そう思って翌日からも頑張りました。
普段の仕事は物件を覚えてホームページや「SUUMO」、「HOME’S」などインターネットサイトに掲載する写真撮りと入力がメインでした。
新人は初契約するまでお客様からの問い合わせをもらえないので、自分で集客する必要がありました。
問い合わせをもらえないのに写真撮りと入力は新人達がやるのね。しばらく歩合給はもらえないようです。
上司曰く
「昼間は会社の仕事をしろ!自分の集客は夜やれ!ポスティングとステ看だ!!」
ステ看板とは
物件情報と携帯電話の番号を紙に印刷して電柱に貼ること。野外広告関係の法律で違法です。
「ステ看は現行犯以外は大丈夫だ! 周りを見ながら貼れよ! 警察に見つかったら会社名は絶対に言うな!自分の判断でやりましたと言え!」
今思うと滅茶苦茶です。
しかし、私はなにかに取り憑かれていたかのように、会社の仕事が終わって22時過ぎから真夜中の2時~4時位まで日々ポスティングとステ看に明け暮れました。
ステ看板って経費は安いし意外に問い合わせが来るようです。
真夜中に人の家の玄関ポストにチラシをカランって入れたり、キョロキョロ電柱に貼り紙をしていました。今思えば完全に不審者です。
ステ看板は違反ですが、ポスティングは違法ではなく、お客さんから「真夜中にカランって音がしてチラシ見たけどこの物件見られる?」って携帯電話に夜中電話が来て翌日契約した思い出はあります。
1社目は正直完全ブラック
4ヶ月目でやっと初契約出来た頃には同期はみんな辞めていました。
その頃には新人がたくさん入り15人になり、私は中堅社員になっていました。
自分は体を動かすのも好きで、なぜか狂ったように真夜中のポスティングとステ看を続けていました。
夜中にスイッチが入ると朝までやって3時間位寝て、また出勤する日々。そんな日々が継続出来るわけがありません。
ある日寝坊して朝礼中に出勤になってしまいました。
めちゃめちゃ怒鳴られ、みんなの前で公開処刑。後輩も含めひとりひとり全員に土下座させられました。
そして極めつけは、夜中1時頃に電柱にステ看板を貼っていて、おまわりさんに見つかり、署まで連行されました。
指紋を取られ、床に置いてあるステ看板を指差して写真を取られ、4時間程事情聴取。
ようやくいけないことだったんだと分かりました。
おまわりさんには身元引き受け人がいないと帰せないと言われ、当時二人目の子供を妊娠中の妻に電話して来てもらいました。
これを気に、会社の問い合わせも少しもらえるようになったし、子供も小さいので、出来るだけ早く帰るようになりました。妻には本当に心配と苦労をかけました。
それからも日々空気の悪い社内。
「お前今月契約はまだか!? あの客はどうした!? 会社に呼べ! 今月会社の売上が足りないんだ! 今月契約入れられないならその客いらない!すぐ電話して呼べ!」
こんな言葉は当たり前で日常茶飯事。毎日毎日怒鳴られてました。もちろんお客さんの前ではみんなニコニコ。
給料は年収500万円ペース位でした。他業種と比べると1年目でなかなか稼げる方だと思います。
しかし怒鳴られる日々と、上司の理不尽さに、ようやく辞める決心がつきました。
それを伝えると
「ウチは去るもの追わないから、今すぐデスク片付けて出てけ。じゃーな!」
とあっさり。
クソー!!じゃーなじゃねーよ!!!辛かった。でもようやく解放された。
振り返ると、入社前に求人サイトで見た「毎月100万円!!」
私は無理でしたけどトップ営業マンで年収1,500万円位でした。
正直この会社ではよっぽど社長に気に入られてお客さんをたくさんもらって、怒鳴られるのも気にしない人じゃないと無理でしたね。
2社目の不動産は紹介で入社
1社目の会社は周辺エリアで売上が高い方で、業界内では外ヅラが良く、不動産業界は横のつながりが多いので、紹介で入社する事が出来ました。
その会社は不動産売買専門で社員100名程の複数店舗のある地元でブイブイ言わせてる会社です。
仕事内容はほとんど同じでしたが、怒鳴る先輩や上司はいませんでした。良かった。
固定給は15万円+歩合給。歩合給のパーセンテージが低くて1件売っても前の会社の半分くらい。
まぁ働きやすい社内環境なら一番いっか。と入社することにしました。
この会社は3ヶ月は試用期間で、社会保険も試用期間が終わってから加入になると言われました。
名刺も試用期間後に名前入りを発注すると言われて、名前を手書きで書く名刺を渡されました。
「だって新人っていつ辞めるかわかんないじゃん」
…前の会社と同じニオイがしていました。
2社目は飲み会が多くて酒癖が悪すぎた
仕事のことで怒鳴られたりすることはなかったのですが、二社目は何しろ飲み会が多い会社でした。
かなり断っても週1~2回は参加せざるをえませんでした。
飲み会は私も好きな方ですが、とにかく酒癖が悪すぎる。ずっと強制一気飲みコールが続くホストのようなチャラ男揃いの会社。
私の歓迎会も開いてくれたのですが、強制一気飲みでつぶれた私を脱がしてワイシャツとパンツを引きちぎられ、上着を着させて路上で置き去りにされました。
今記事を書いていて、若干引いてます(自分の出来事)
そして社長がかなりの女好きで、つぶれてない人はキャバクラ二次会強制連行。
そこでも強制一気飲みコール。極めつけは無理やり連れて来られて社長がいるのに割り勘という…。給料15万円で無理。
紹介で入社したというのと、経験者の人手が足りないからいてほしいと言われて8ヶ月くらいは働いてましたが、最後は無理やり辞めました。
給料は年収300万円ペース位でしたね。辞めて正解。
二社連続でこんな具合だったので、不動産会社ってみんなこんな感じでブラックなのかな。稼いでいる人達はみんな我慢しているのかな。と思っていました。
3社目は固定給無し、フルコミッションの不動産会社
次は不動産売買の仕事の流れをある程度理解していたので、固定給無し、出勤義務無しのフルコミッションで働くチャレンジをしました。
3社目も紹介で入社。地元の小さな10人弱の会社でした。
フルコミ営業なので、何も指示やうるさく言われることはありませんでした。
フルコミ営業はガソリン代や経費がすべて自腹。基本的に集客も自分で全部やる。
給料は固定給0で歩合給のみ。その分1件売れば100万円前後もらえます。業務委託契約をした、いわば自営業、個人事業主です。
この会社はインターネット広告費を少し私に出してくれて、問い合わせは全部もらえてコンスタントに契約できました。
社長のワンマン会社でしたが、社員さん達を見ていても、程よく厳しく、やる気が出るような会社でした。
ようやくこんな会社に出会えた…。
地元の小さな会社と言いましたが、トップ営業マンで年収5,000万円。
今まで私が働いた会社は一般のマンションや一戸建ての仲介というジャンルだったのですが、この会社は億単位の規模の大きな事業用の物件を扱う会社でした。物件価格が高いから歩合給も多い。
社員にならないか?と言われ、1年ほど正社員で働かせてもらい、知人が不動産業界で独立するのを期に辞めました。約4年弱お世話になりました。
今でも稼げるいい会社だったと思います。
まとめ:不動産業界は全部がブラックってわけじゃない。不動産内で転職してみよう
そんな感じで不動産業界3社を経験して、今も不動産営業は続けていて知人の会社を手伝っている状況です。
今もフルコミッションなので、自分の力で稼がなければいけません。私は初めの2つの会社で正社員は懲りてしまいました。
フルコミッションは自腹で経費がかかりますし、契約が無ければ給料が無い月もあったり不安定ですが、人間関係や職場のストレスが全くありません。
自分が頑張っただけ収入が増えます。仕事の流れを覚えたら、フルコミの選択肢もアリですね。
最後に不動産会社で働くことについてですが、私の3社目の会社のように正社員で働きやすくて稼げる会社もあります。
聞いたことがある大手の会社とか知名度の無い地元の会社とかはあまり関係ありません。
大手の不動産会社の方がお客様は多くて契約書類など細かいので、細かい知識や接客スキルは磨けるとは思います。
でも会社が有名か、有名じゃないかとか関係なく不動産業界が全部ブラックではありません。働きやすくて社員想いの会社はあります。
不動産業界と一言で言っても
賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介、仕入れ、買取再販、新築マンション、ハウスメーカー、投資用専門、開発事業
等々たくさんのジャンルがあります。
興味がある方は、まずは求人サイトを色々見てみて下さい。
とりあえず登録するなら「リクナビNEXT」がおすすめです。詳しくは詳細記事を読んでみてください
給料や福利厚生、社員の写真など。色々見ていって、魅力的に見える会社、自分のライフスタイルに合いそうな会社を見つけましょう。
私の場合は求人サイトで1社目応募して、外してしまいましたが、今となってはかなりいい経験をしたと思っています。自力で稼ぐ力を学びました。
不動産の仕事は「衣食住」の「住」を助ける、もっと言えば人の人生を決めるやりがいのある仕事です。
不動産を買いに来るお客様は高い買い物ですから真剣そのもの。こちらも真剣に向き合わなければいけませんし、法律や税金の知識も身に付きます。
また、営業という仕事を通して対人コミュニケーションのスキルも磨けます。
まぁ7年以上やっている私は相変わらず口ベタですけどね♪その分親身に誠実を売りに頑張っています。ですから人と話すのが苦手という方も大丈夫ですよ。
そして、不動産業界は扱う金額が大きいので成果を出せば稼げる世界です。
お家が好きな方、内装インテリアが好きな方、人と話すのが好きな方、とにかくガッツリ稼ぐんだという方、ぜひ働いてみて下さい。
「○○さんで良かった。ありがとう」をたくさんもらえる仕事ですよ。
この記事を書いた人
ヒラノといいます。
雑記ブログ「ライクプラス-人生に好きをちょい足し-」運営中。元大工さんで不動産業界に入り、現在フルコミ不動産営業マンと雑記ブロガーの2本立てで生活しております。
妻と2人の子供達と愉快に暮らしています!
管理人:☆←ヒトデの一言
- これが本当に自分に向いている仕事なの?
- 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
- そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
- 今の職場で駄目なのは才能云々では無くて、ただ単に自分がポンコツなだけなのかな……
そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします
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