残業代無し!裁量労働制かと思ってたらそもそも給与規定が無かった会社の話

スポンサーリンク

「うちの会社は残業代出ないから」

社長はこう言ったが、私が新卒入社したコンサル業をやっているベンチャー企業は、基本的にホワイトだった。

上司たちは毎日のように「うちは残業代が出ないんだから定時で帰りなよ」と言ってくれた。

私は会社が好きだった。残業代が出ないのも裁量労働制のうちだからと納得していた。

でも、働いてるうちに気付いてしまった。うちの会社は日本の労働基準法に則った会社経営をしていない。絶対におかしい。

新卒の私は、社長と真っ向勝負することにした。

残業代を出さなくてもいいのは裁量労働制の会社だけ

日本の労働基準法では、一部の職種に限り(例:研究者)、「専門業務型裁量労働制」を採用していれば事実上残業代を出さなくてもよくなる。

専門業務型裁量労働制

業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です。

厚生労働省:専門業務型裁量労働制より引用

つまり裁量労働制は、「働いた時間ではなく成果で従業員を評価する」という考え方だからだ。

成果を出していれば、1日の出社時間は1分でも23時間でも構わない。出社日数で判断する。そういうアレだ。

「うちの会社は残業代出ないから」

社長にそう言われた私は

(この仕事は専門業務型裁量労働制が適用される職種で、私はそれで働くんだな)

と思い込んでしまった。そしてそのまま数ヶ月、私は働いていた。

裁量労働制じゃない疑惑の浮上

私は体が弱かったので、たびたび半休をいただいて午後出社することがあった(迷惑をかけた会社にはマジで申し訳ないと思っている)。

裁量労働制の場合、少しでも出社すれば1日分のお給料が出る。お金がなくなるのは困るので、這うようにして行った。

とは言え半日出社で1日分相当のお給料をもらうのは申し訳なかったから、半日出社の日は必ず半日ぶん残業をしていた。フレックスタイムのようなかたちである。

ところが翌月の給与明細を見ると、半休した日はキッチリ半日ぶん基本給が削られていた。

その翌月も。

翌々月も。

確かに休んだのは悪かったけど、私、もらっていいはずのお給料をもらえていない……。

……待てよ。

私が勝手に裁量労働制だと思っていただけで、裁量労働制ではない可能性があるのではないか……?

役員アタック!就業規則を見せてもらおう

何はともあれ確認だ。私は役員に直談判して、分厚い就業規則ファイルを見せてもらった。

給与について確認すると、

「給与規定にて別途定める」

的なことが書いてあった。

給与規定を探した。裁量労働制なのか、何か違うルールがあるのかを知りたかった。わたしの大事なお給料が支払われなかった理由を知りたかった。

会社が好きだったから、これからも好きでいたかった。好きだと思える自分の会社が労基法を守っていないなんて嫌だった。就活生に胸を張れる会社の一員でいたかった。

ひたすらページをめくり続けた。

給与規定は、存在しなかった。

絶句した。そもそもこのベンチャー企業に、給与に関する決まりなんかひとつもなかったのである。

ワイ新卒、社長を詰めるの巻

それでも私は希望を見出そうとしていた。

この会社では、新卒だろうが誰だろうが、正しいことを言えばそれは通る。主任は若いころ、社長に直談判して家賃補助の制度を作ったらしい。

だから私も社長に直談判して給与規定を作ってもらおうと考えた。

文章として記録に残すために、戦場にはチャットワークを選んだ。

「私の勤怠と給与は現在こんな感じになっています。
残業代が出ないのは裁量労働制だからだと思っていましたが、それだと辻褄が合いません。給与規定を探しましたが存在しませんでした。私の知らない日本の法律で管理されているのであれば調べるので教えてください。
そうでない場合は給与規定を作ってください。私はこの会社の採用担当として、就活生に給与規定のない弊社においでよとは言えません」

こんなことを言ったと思う。私は採用担当でもあったので、その立場を使えばいけると思った。

少し間をあけて、社長からはこう帰ってきた。

社長
「ご指摘ありがとう。今ちょうど社労士さんと作っている最中だよ!進展があったら報告するね」

つ、つくってる、のか……。体の力が抜けたのを覚えている。

確かに近頃会社には社労士が頻繁に来ていた。

私は結局社長に丸め込まれて、入社から1年持たずに体を壊して退職した。

給与規定が完成したのかは今も分からない。

まとめ

以上のことから学べたのは、

会社なんて意外とテキトーである

ということだった。

給与規定もないまま5年以上突っ走って、新卒採用までしてしまう、誰もが名前を知っている大企業をクライアントに持っていて、よりによってコンサル業をしているベンチャー企業が東京に普通に存在するのだ。給与規定ないくせに。

ベンチャー志望の就活生は、ぜひ

「給与規定が存在する」みたいな「あたりまえ」だと思っていたことが実はそんなにあたりまえじゃないことを知ってください。

社畜化から自分を守るのは、就活生の時期から始まっているんだ。

この記事を書いた人

名前:Cyndi

説明:
20代半ばのフリーライター。お仕事ください。
元ベンチャー企業勤務のメンヘラです。

Twitter:@cyndi_ebr

管理人:☆←ヒトデの一言

☆←ヒトデ
 規定がないなら逆に休みまくっても給料が減らないという事!!! 

スポンサーリンク