就職活動

転職におすすめの時期はいつ?「求人数が多い月」とはかぎらないので注意!

「もうこんな会社イヤだ」
「今より条件のいい会社はないかなぁ…」
「もっとキャリアアップしたい!」

終身雇用が当たり前ではなくなった現代。
毎日の会社勤めのなか、「転職」の文字が心に浮かぶこともあるでしょう。

「でもせっかく思い切って転職するのに、失敗はしたくないし…」
「いつ転職活動をするのが有利なんだろう?」

この記事では、「転職しようかな」と漠然と考えている方に、

  • いったいいつが転職に最適な時期なのか
  • どんなことを考慮して転職のタイミングを決めたらいいのか

をお伝えします。

転職に最適な時期は「求人数が多い月」とは限らない

転職をするなら、やはり「ベストなタイミング」を選びたいですね。

転職サイトなどでは転職に適した時期として「求人数が多い月」が挙げられ、

  • 2~3月
  • 3~4月
  • 8~9月
  • 9~10月

などと書かれていることがあります。

しかし具体的な求人数が挙げられていることは、まれであることにお気づきでしょうか。

実際に求人数が多いのは、一年のうち何月なのでしょう。

またその時期に転職するのは本当におすすめなのでしょうか。

具体的な数字をひも解きながら、考えてみたいと思います。

求人数が多いのは「1・8・12月以外」

多くの転職情報サイトで「求人数の多い月」とされているのは2・3月または9・10月が多く見受けられます。

そしてその理由は「企業にとって事業年度や決算期の切り替え時期にあたるから」とされています。

しかしこのデータは正確なものでしょうか。

その真偽を確かめるべく、実際の求人数が通年でどのように変化しているかを調査してみました。

ここではその結果、見つかった2つのデータをご覧いただきましょう。

まず公益財団法人・全国求人情報協会からのデータです。

※全国求人情報協会が公開しているデータを独自にグラフ化したものです。

2014年までは確かに3月と9月のあたりに山が見られます。しかし2016年2017年は、もっとなだらかな曲線となっていますね。

年によっては6月・7月・11月にも増加が見られます。

逆に、各年1・8・12月に求人数が少なくなることはほぼ共通している様子(2017年2018年はやや例外で1月の求人が9月・10月と同程度)。
これは年末年始や夏季休暇の時期であることが要因と考えられます。

そして4・5月にも減少傾向があるのは「新卒が入社した時期であること」と「ゴールデンウィークがあること」が要因でしょう。

しかし年間を通じた求人数の増減より、さらに注目すべきは全体の求人数が年々増えていること。

もうひとつのデータを見ると、それがよくわかります。以下は厚生労働省によるハローワークの求人を集計したものです。

グラフの左側を見るとわかるのは、「2009年(平成21年)以降、月間有効求人数、有効求人倍率ともに、一貫して増加している」ということです。

(※有効求人倍率とは「公共職業安定所に申し込まれている求職者数に対する求人数の割合。有効求職者数(前々月からの求職者数とそれ以前からの雇用保険受給者の合計)で前々月からの求人数を除したもの」大辞林より
つまり仕事を探している人、1人に対し、何件の求人があるかを示した値です)

一方、グラフの右側を見ると、2017年(平成29年)12月から2018年(平成30年)12月までの1年間、グラフに大きな凹凸は見られません。

これらからわかることをまとめると、

  • 年間を通して見たとき、長期休暇がある時期は求人数が減る傾向がある
  • しかし求人数自体は年々増えており、有効求人倍率も増加している

ということです。

このように実際は「2~3月、9~10月だけに求人が多い」というわけではありません。
そうなると転職のタイミングを決める肝となるのは、「何月」ということよりも自分自身の環境や準備態勢がより重要な要素となります。

実際、大手転職サイトであるエン転職には、以下のような記述が見られます。

「当社の場合でいうならば、月によって掲載件数が変化するといったことはありません。 求人数の多い少ないで転職に最適な時期が決まる訳ではありませんよ。」
https://employment.en-japan.com/qa_1110_5010/

「求人件数の過去のデータから確認しますと、2月、6月、9月頃に新しい求人件数が増える傾向が見られます。ですが、他の月と比べて極端に件数が多いという程ではありませんし、必ずしもこの時期に増えるわけではありませんので、ご注意ください。」
https://employment.en-japan.com/qa_592_5010/

また前述の全国求人情報協会では、以下のような記述が見られます。

13. 時期によって求人広告が多くなることはありますか?

求人広告が多くなるのは、例年3月から4月、6月から7月、9月から10月です。ただ、この時期は仕事を求める人も多くなり、景況や業績の変動などによる募集企業の雇用過不足感によっても大きく異なるため、一概にどの時期が有利・不利とはいえません。在職中・離職中にかかわらず、まずは自分自身を振り返り、どのような仕事ならば自分が活かせるのか、またその仕事を手に入れるために何をアピールできるのかを整理してみましょう。https://www.zenkyukyo.or.jp/applicant/faq2/

「求人数が多い時期=転職に最適な時期」ではない

また仮に求人数の多い時期に転職活動をするとしても、「求人数が多い=転職しやすいとは言い切れない」ことにもご注意ください。

理由は2つあります。

  • ①ライバルも多い
  • ②企業側も時間的業務的に余裕を持っているため、即採用に繋がらない

求人数が増えると言われる時期には、求職者も多くなる傾向があります。

また企業としても、年度の切り替えに合わせて計画的に採用業務を進める場合は、時間的にも余裕を持ったスケジュールを立てています。

裏返して言えば、その時期、企業は人材をより慎重に選べるということです。
欠員が出たために急いで即戦力を探さなければならないといった場合に比べると、選考にも時間をかけられるでしょう。

これは応募する側からすれば、採用のハードルが上がることを意味します。

一方、応募者側から考えて、求人数が多いことの利点は、たくさんの求人の中から選べるということ。

いずれにせよ、自分自身が「採用される人材」になることが不可欠となります。

物理的に転職活動をしやすい時期はあるので留意

そうは言っても、四季の変化が大きな日本ですから、就職活動をするにあたっては気候も考慮しておくのが得策です。

たとえば真夏や真冬に就職活動をすることを考えてみましょう。

暑い季節にスーツを着て、初めての場所へ面接に向かうのは大変ですし、インフルエンザが流行する時期には思いどおりに動けない状況に陥るおそれもあります。

そうした時期に転職活動をする際には、体力面などでいっそうの注意が必要です。

そもそも転職活動には「2、3か月~半年」時間がかかる

改めて考えてみると、「求人に応募する」だけが転職活動ではありませんね。

  • 自己分析・求人探し
  • 業界分析・企業分析
  • 書類作成・応募
  • 選考面接
  • 結果を待つ

これらをこなすには2、3か月は必要になるはずです。半年以上かかる場合もあるかもしれません。

つまり何月に転職活動を開始したとしても、ある程度の時間はかかる心づもりでいた方がよいでしょう。

損をしない転職は「ボーナス、社会保険、年次有給休暇付与等のタイミング」を考慮して

ところで毎月の給与明細は、じっくり見ていますか。

給与明細をよく見ると、厚生年金や健康保険など毎月の給与から控除されているものがあることがわかります。

年次有給休暇やボーナスも、労働者にとって重要な「報酬」です。

こうした福利厚生や社会保険には、該当条件などに細かい規定があります。転職によって会社を変わる(辞める)際に手続きが必要だったり、支給条件が明確に区切られていたりするのです。

よく確認せずに行動を起こして、後から「損をしてしまった!」と後悔することのないよう、いま一度確認してみましょう。

ボーナス支給月後に退職する人が多い傾向

一般的には6・12月にボーナスをもらってから退職する人が多いと言われています。
(あるいはボーナスがないこと、またはもらった金額に不満を持って退職を決意する人も)

毎月の給与と同じかその何倍もの額が支給されるわけですから、現在、ボーナスをもらえる環境にいるなら、支給があってから退職する方が賢明です。

年次有給休暇の付与タイミングと残日数もチェック

退職時期を決める際には、

  • 年次有給休暇の付与タイミング
  • 有給休暇の残日数
  • 退職時に有給消化ができるかどうか

もあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

年次有給休暇は、要件を満たした全ての労働者に対し、入社6か月経過した時点で10日、その後1年ごとに付与されるものです。

しかし「付与のタイミング」は企業によって違うことも。例えば個々の入社日に関係なく、年度初めの4月1日に全社員にまとめて付与する会社もあります。

どのタイミングで年次有給休暇が付与され、自分の有給はあと何日残っているかを把握しておきましょう。

また転職が決まれば「有給を消化してから辞めたい」と思うもの。

とはいえ引継ぎなどが終わっていないのに有給消化に入るのは肩身が狭く感じたり、スケジュール的に余裕がなくなったりするおそれもあります。

有給が消化できる環境かどうかは、同じ部署などで辞めていく人たちがどのようにしているかを、観察してみるのもいいかもしれません。

有給取得は法律で定められた労働者の権利ですから、前もって計画を立て、付与されている有給休暇は退職前に有効に利用できるように計画を立てましょう。

年次有給休暇の日数は、法律により勤続6か月で10日が付与されると定められています。そして、以降1年あたり11日、12日と増えていき、6年6か月で最大の20日となります。

しかし転職すれば、最初の6か月は有給休暇がない状態にから始まり、また10日から積み重ねることになります。

転職を繰り返すと、1つの企業での勤続年数が長い人に比べて、1年あたりの有給付与日数はどうしても少なくなってしまうことに留意しておきましょう。

退職金支給規程を確認

企業によっては、勤続年数に応じて報奨金などを支給するところもあります。

また退職金支給の対象についても、勤続年数などの条件が定められています。

自分がそれらの支給対象になるかどうか、いつが区切りなのかを、社内規定でチェックしておきましょう。

社会保険・税金などはブランクができると手続きが厄介で経済的負担も大きい

在職中に転職活動をするのは、時間的にも体力的にも負荷がかかります。
今の会社はとりあえず辞めて、ゆっくり次を探そうと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、社会保険などの点でいうと、在職のまま転職活動をする方がお得です。

例えば前職を4月30日付で退職し、次の会社には5月1日付で入社というふうにブランクなく就業する場合は、手続き上、特に問題ありません。しかし1日でも間が空く場合は、国民健康保険と国民年金への切替えが必要になります。

また雇用保険についても、自己都合の退職の場合は、1週間の待機期間後、失業給付金(いわゆる失業手当)の支給開始までには3か月の給付制限期間があることに注意してください。

失業給付金の額は、現在の給与や勤続年数(雇用保険加入期間)などを元に計算されます。

確認を怠って「あと1か月長く勤めていれば、給付を受けられる期間がもっと長くなったのに」となることも。(いずれにせよ、在職時の給与と比べると、かなりの減額となってしまいますが)

住民税も、退職後は自分で支払うことになります。辞める月によっては、まだ支払っていない住民税を一括で支払わなければならない場合もありますのでご注意ください。

このように、会社を辞めると、自分で支払わなければならないものが予想以上に大きな負担であると感じるかもしれません。

「今の会社を退職してから、じっくり次の仕事を探そう」という場合は、精神的に余裕を保つためにも、ある程度の貯蓄が必要です。

職歴の面から考えても、なるべくブランクは作らないのがおすすめです。

できるだけ現場に迷惑をかけずに済む転職時期

転職活動が成功し晴れて転職先が決まったら、当然ながら現在の会社を辞めることになります。

どんな理由で辞めるにせよ、退職する会社に対してもマナーはきちんと守りたいものです。

そのためには自分と会社で、ともに折り合いのつく日を退職日とし、逆算してスケジュールを組む必要があります。

退職日を決める際に、気を付けるべきポイントを見ていきましょう。

会社への退職意思伝達は2か月前が理想

退職を決めた時、それを会社に伝えるタイミングも大切です。
法的には14日前となっていますが、会社の業務規程も確認してみてください。

現在在籍中の会社、次の会社、自分の三者が、それぞれ適切に対応できるように時間の余裕があるタイミングがベスト。

具体的には、退職日の2か月前がおすすめです。

迷惑をかけない退職タイミングのために

今までお世話になった会社に迷惑をかけないためには、以下のような点に気を付けて退職日を決定するといいでしょう。

  • プロジェクトの進行具合を見極め、プロジェクト完遂後が理想
  • 引継ぎが十分にできる猶予をもって
  • 各業種によって多忙な時期は異なるが、年末、年度末など繁忙期の退職は避ける

会社の業務を滞りなく遂行させるためにも、引継ぎをしっかりとしましょう。

「立つ鳥跡を濁さず」円満退職がWin-win

転職理由は人それぞれ。中には、穏やかな気持ちで辞められる状況ではない場合もあるかもしれません。

しかし退職時には極力、良い印象を残せるようにするのが、結局は自分の為でもあります。

同業種間で転職する時は特に、思わぬところで人と人が繋がっていることも。
退き際の対応を間違えて、自己の評判を落とすのは得策ではありません。

円満に退職できるよう、会社とも話し合って、しっかりとスケジュールを調整しましょう。

転職の時期を決める判断基準やポイントまとめ

ここまでの内容をまとめてみます。

  • 求人数は1・8・12月に少なくなる傾向があるが、「求人数の多い時期=転職のしやすい時期」ではない
  • 有効求人倍率は近年、増加傾向
  • 転職活動には2~3か月、場合によっては半年以上かかる
  • 経済的にお得なタイミングで退職できるよう、ボーナス、社会保険、年次有給休暇、退職金などのルールを見直す
  • ブランクを作らない方が有利。在職中に次を探すのが賢明
  • 退職2か月前に辞意を伝え、引継ぎをしっかりと

とはいえ自分の準備が整っていなければ、よい求人が見つかっても応募することはできません。

転職を考え始めたら、まずは転職サイトに登録して情報収集をしつつ、スキルアップを心がけ、チャンスが来たらすぐにつかめる準備をしましょう。

自分に合う転職サイトやエージェントを早めに見つけよう

転職すると決めたら、次の仕事探しには「転職サイト」か「転職エージェント」を利用する人が大半です。

今まで転職支援サービスを使ったことがない人も、まずは気軽に登録してみることをおすすめします。

転職自体に決心がついていなくても、自分が応募することをイメージして求人を見ると、意外な発見があるかもしれません。

転職サイトと転職エージェントの違い

転職サイトと転職エージェントの違いを簡単にまとめると以下のようになります。

転職サイト
・気軽に利用できる
・自分ひとりで求人情報を探し応募する
・企業と自分で、日程や条件を調整
・公開されている求人数は多め

転職エージェント
・第三者の目でサポートしてくれる
・コンサルタントやアドバイザーが付いてくれる
・企業との橋渡しをしてくれる
・非公開案件がある

実際に登録をして求人検索やエージェントと接触してみると、それぞれの良さや自分との相性がわかります。

エージェントに登録しても「動くのは自分」準備は怠りなく

上記のおすすめ転職サイト、転職エージェントに登録したとしても、自分が主体となって転職活動をすることに変わりはありません。

履歴書やプロフィールのブラッシュアップに努め、情報収集をし、積極的なコンタクトを取ることを心がけましょう。

また転職を成功させるには、できるかぎりアピールポイントを強化できるよう、スキルアップも不可欠です。

決して焦ることなく、自分の環境や希望を振り返り、適切なタイミングを見極めて、転職をステップアップにつなげましょう。

まとめ:転職の時期は求人数が多い時期にとらわれず自分のタイミングがおすすめ!

以上、転職に最適な時期をみてきました。

求人数が多いかどうかだけで転職活動の時期を決めるのは早計です。

それよりも自分の置かれている状況、今後の希望、現在の会社の業務進捗など、総合的に考え、ご自分に合ったタイミングを見極めてください。

慎重に、ときには大胆に転職活動を進め、ぜひ転職を成功させてください。

本当の「自分に向いてる仕事」の見つけ方

  • これが本当に自分に向いている仕事なの?
  • 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
  • そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
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自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方

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