お読み下さりありがとうございます! 高野蛍(こうや けい)と申します。
前回は二泊三日での外部研修に連れて行かれた話をしました。
今回はそれのその後の話、なんと
7泊8日の研修に連れて行かれてしましました。
会社は同じく「管理者養成学校」です。どんな内容だったのか、包み隠さず書いていこうと思います。
富士山のふもとに幽閉された!
噂には聞いていた,富士山のふもとで行われる管理者養成学校の社外研修
通称「地獄の訓練」
なんとおどろおどろしいのでしょうか。これは別に僕らが勝手に言ってるわけじゃありません。
まずは研修先の、公式サイトのアドレスをご覧ください。
「www.hell-camp.com」
ですよ。ヘルキャンプ.comという、完全な開き直りのものとなっていました
自他ともに認めるとはまさにこの事ですね。
まだまだ蒸し暑い8月下旬に富士山へ向かいます。
初めての富士山がブラック企業の社外研修なんて、こんな人生でいいのでしょうか?
事前にいろいろ話は聞いていましたが、特に衝撃的だったのが
「冬に研修に参加して、手書きのテキトーな地図を持たされ山中を夜間に40km歩かされ、出発前に配給されたおにぎりを食べようと思ったらガチガチに凍っていて何も食べずに40km歩いた」
という、現代の日本とは思えないエピソードでした。
さて新幹線を降り、電車に乗り継ぎ、バスに揺られて山中の会場入りです。会場というより施設ですね。
2階建ての校舎が複数ある感じです。そこら中から叫び声が聞こえてきます。
2階のテラス部分に、中華料理屋さんが着てそうな白い服を着た研修生たちが、横一列に並んでなにやら叫んだり歌ったりしています。
そのときなぜか上から靴が飛んできました。
「お前は靴も揃えることが出来んのか! 拾ってこいアホ!」
みたいな罵声が聞こえてきます。
しばらくして、裸足で靴を拾いに来る研修生。
・・・・・・地獄かな?
あぁここは地獄の訓練だったと思い出し,受付を済ませました
受付では例の中華料理屋さんが着てそうな白い服を渡されます。
しかし一着しかない。我慢して一週間着ろやってことでしょう。刑務所でも着替えがあると聞いたことがありますが。
布団用のシーツや布団カバーも渡されましたが同じく1枚ずつです
まだ始まってもいないのに心が貧しくなってきました
到着後、とりあえず叫ばされる
無事に到着後、全員が広い部屋に集められました。100人くらいいた気がします。
この研修って30万円くらいするので,単純に計算して3000万円か……。ボロい商売です。
ここで早速「所信表明」をさせられます。もちろん全力で、叫びながらです。
所信表明
自分の考えや信念、または方針などについて演説したり講義したりする形で表明すること。
一生懸命さが足りないと判断されるとOKが出ません。なんだ一生懸命さって。
その中でも一発合格するエリートとかいました。社畜度が高いですね。
わたしは「ゆうて毎日社訓とか絶叫しとるしヘーキヘーキ」とタカをくくっていましたが、普通に落とされました。慈悲はない。
それが終わると、10人1班に分けられ、班ごとに教室なような場所に幽閉されます。プリズンブレイクしたくなりますね
その後起立,気をつけ,礼,着席の訓練をしました。
あ,この研修ではすべて○○訓練と呼ばれていました。
お風呂に入ることを入浴訓練とか頭おかしいのでは? ちなみに「起立、気をつけ、礼、着席」が以前の研修と同じ物でした。
そんな感じで最初の試練が終わり、国歌を歌い、校歌を口パクで歌い(来て早々に校歌とか歌えね-!)、荷物チェックがあり携帯は没収され(!?)、地獄の訓練の火蓋が切って落とされたのでした
そうそう,外部の情報が一切入ってこない環境でしたので、ちょうど研修中にオリンピックの開催場所が東京に決まったのですが、それを知ったのは家に着いてからでした。
浦島太郎気分を味わえるいい経験でしたね。二度とゴメンですが。
朝5時に起きて全力ラジオ体操訓練だ!
地獄の訓練の朝は早い。朝5時に周りの喧騒で目が覚めます。
ザッザッザッザッ
という、校庭の砂を歩く音が聞こえてきます。慌てて準備をして校庭に行きます。
ここでは、ラジオ体操で一日がスタートします。
顔をまっ赤にして
「イチ!ニ!サン!シ!ゴ!ロク!シチ!ハチ!」
「ニイ!ニ!サン!シ!ゴ!ロク!シチ!ハチ!」
と絶叫しながらですよ。健康的でしょ?
で「これもう茶番じゃん…」と思ったのが、もう少しでラジオ体操が終わる!というタイミングで
「声が小さい~!」
「ハイの練習ゥ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!」
とハイを何回も言わされ、ラジオ体操が最初からやり直しになるというやりとりを4回くらい繰り返します。
2日目から疑心暗鬼ですよね。「どうせ一発で終わらんのでしょ」みたいな。
あ、全力ラジオ体操訓練は毎朝ありますからね
朝ごはん中でもめっちゃ怒られるよ!
全力のラジオ体操訓練でフラッフラになりながら、でも歩いての移動は許されない(!)ので小走りで食堂へ向かいます
でね、飯がメッチャうまいんですよ! これが地獄補正でしょうか
今まで食べてきた食事のなかでぶっちぎりにうまいんです
まぁ楽しみが食事くらいですからね!
1日に3度だけ与えられる食事という楽しみを満喫していたその瞬間に,同じ席で食事をとっている講師が突如怒鳴り散らしました。
「ヒジをつくんじゃないバカモノ!」
一瞬で場の空気が凍ります。
どうやら班員の一人が気を抜いて、テーブルにヒジをついてしまったようです
講師に「こっちにこい!」と呼ばれました。基本移動動作である小走りをしなかったためまた怒鳴られます。もう延々と怒鳴られていました
初日こそメシマズな気分でしたが、日が経つにつれ「誰かが講師に怒鳴られる」のが日常茶飯事となり、例え誰かが食事中に怒鳴られても
「メシがうめぇメシがうめぇ」
と意に介さない強靭なメンタルが出来上がっていましたね。人間性を失っていますね
さすが地獄です
富士宮駅前で絶叫しよう!
いろいろな課題を与えられるのですが、基本的に何かを覚えて審査員の前で絶叫するという、AIのほうがまだ生産的に時間を過ごせるのでは?といった内容でした。
その中でもひどかった課題をピックアップします。
まずは富士宮駅前での絶叫です。
そして、歌を歌います。全力で。
もちろん暗記です。アカペラです。
ソロで歌います。
審査員が駅側に、受講生が道路を挟んだ歩道に立って絶叫するんですね。
合格基準は歌詞を間違えないこと、声が聞こえることなんですが・・・・・・。
駅前でけっこう交通量あるんですよ。
そして道幅が広いので大型車が多い「これ本当に聞こえてるのか?」と思いながら絶叫します。
これの何がきついかって
地元で名物と化していて見学者(冷やかし)が多いんですよね。
歩道橋の上からニヤニヤ高みの見物を決め込んでいる奴ら全員死ねばいいのに・・・・・・。と思いながら絶叫します
富士宮市が嫌いになりそうでした。でも富士宮焼きそばは大好きだよ。
で、班の中にひとり、歌を覚えられない問題児がおりまして・・・・・・。
何度も何度もやり直して、若干の八百長疑惑がありながらも合格したときは
感極まって全員で抱き合い祝福しましたね
あぁ気持ち悪い
時間が経つとともにおかしな結束力が生まれていました。
40km夜間行進だ! ここは地獄! 這いずり回るがいい!
駅前晒し者絶叫訓練に引き続き,40km夜間行進訓練というものがありました。
冒頭のおにぎり冷凍事件のアレですね。
幸いこの時は8月,おにぎりが凍る心配はありません。
手書きのテキトーな地図と、おにぎりを持たされて15時に出発です。
講師の束縛から離れ意気揚々とスタートした私達はかなりのハイペースで他の班を抜いていきます。
関西からの参加者が多く,かなり笑わせてもらいました。
今までと違って、喋っても講師にはバレませんからね。
8月の青空に入道雲、遮るもののない景色、そして富士山! この開放感たるや!
これが研修でなければどれだけ幸せだったでしょうか。
わりと体力のあるメンバーが揃っていたため,他の班が道端でくたばっているのを横目にグイグイ進んでいきます。
そして進みすぎたのです。曲がるべきところで曲がらず直進してしまった私たちは完璧に迷子になりました。
すべてはこのテキトーな地図がいけない。
40km夜間行進訓練だけは携帯の所持が許されていました。班のうち一名だけですが。
どうにも迷ったら講師に連絡しろと言われていたので連絡をします。
返ってきた答えは
「たぶんあと少しで着くから頑張れ」
たぶんあと少しで着くってなんだ?
このテキトーな手書きの地図ではこちらの情報をまったく伝えられないのです。もう根性論の世界です。頑張れって。
この時点で24時を回っています。出発したのが15時ですから9時間歩いている計算です。メンバーの中には体調不良を訴える者も出てきている旨も講師に伝えましたが
「頑張れ」
って、ここは地獄か?
あぁそうだ地獄の訓練だった
誰かが言いました
「もうGoogleマップ見ようぜ」
携帯は通話以外の利用を禁止されていましたが、もう四の五の言ってられません。
闇雲に頑張って歩き続けたら本当に天国か地獄に逝きそうだったので懸命な判断です。
で、周囲に講師がいないか確認しながら(いるわけない)Googleマップを開きましたが
何もわからん!
そもそもゴールがどこなのかわかってないのに現在地をGoogleマップで表示したところで何も解決しないんですよね。
手書きのテキトーな地図のわずかな情報とGoogleマップを照らし合わせた結果、どうやら曲がるべき地点を大幅に通過していることが判明したので戻ることにしました。
発熱し歩けなくなったメンバーに一人が肩を貸し歩きます。
少し休憩をしようということで立ち止まった瞬間皆が道端に倒れ込みます。
わたしは気を失ったように爆睡しました。たぶん5分くらいだったと思います。
誰かに揺すり起こされ,ゴールに向かって歩きはじめます。
疲労困憊になりながらも無事ゴールした時は深夜3時を回っていました。
全員が死んだように部屋で眠りにつきました。
さすがに全力ラジオ体操は免除でしたが8時頃に「いつまで寝とるんだ!」と叩き起こされキレそうになりながら、その日も暗記と絶叫を繰り返すのでした。
最終課題。自戒を叫べ
そんなこんなで課題をクリアして、最終日がやってきました
講師の前で直立不動になり、弱かった自分、この研修でなにが変わったか、これからどうしていくかを所信表明して、講師がOKを出せば晴れてシャバに戻れます。
わたしは何を言ったか覚えていませんが,わたしを含めて全員泣きながら何かを叫んでいた気がします。
泣き叫べばOKみたいなとこありますからね。
講師からOKが出れば公衆電話へ直行し、会社に報告するとこまでが課題なんですが、ここでも
公衆電話の受話器に向かって叫ぶ
という変質度100%なことをしなければなりません。
叫ぶのが社風な会社であれば(わたしの会社とか)「あぁ研修が終わったんだな」と思ってもらえますが、そうでない普通の会社に電話がかかってきて突然
「報告します!第○班の○○です!このたび私はァ!研修を無事修了することが出来ましたァ!」
みたいな絶叫が自社の社員からかかってきたら
(大丈夫かこいつ・・・・・・)
と思われること間違いないですよね
最後にこの期の修了生が大部屋に集まり,全員で輪になって手をつなぎうつむき目を閉じ,謎の歌を歌わされるという
クー・クラックス・クランも真っ青な怪しい白衣の集団の集会をもって研修が終わったのでした
え、有給が消滅した!
さてすっかり洗脳されて自分はスーパーマンかなにかと勘違いしたおめでたい野郎になったわたしは会社に戻って驚愕の事実を聞かされるのでした
「有給休暇は研修に充てたから」
……休んででないですけど
どうやらこの会社は有給という概念が無く,
会社休んで研修に行かせてもらえるんだからありがたいと思えやコラ
というヤクザのような企業だったようです
ひどいですね
潰れればいいのに
今回は、最後までお読み下さりありがとうございます。
みなさんのクオリティ・オブ・ライフ向上のお役に立てれば幸いです!
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この記事を書いた人
著者名:高野 蛍(こうや けい)
設計職。自転車・メガネ野郎。マイブームは恋活アプリ(出会い系)。
ブラック企業を2社経験し、現在は休職、うつ病の治療中。夢は脱サラしてノマド。ブラック企業の撲滅。
ブログでは雑記,グルメ,DIY,お店紹介なんかをしています。
近々婚活パーティーや恋活アプリの成功体験談やアドバイスを書きます!
ブログ:のーとぶっく!らいふはっく!
管理人:☆←ヒトデの一言
- これが本当に自分に向いている仕事なの?
- 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
- そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
- 今の職場で駄目なのは才能云々では無くて、ただ単に自分がポンコツなだけなのかな……
そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします