私は以前いた会社で退職を申請したら何と
「申請した時点で有給が消滅する!」
と言われました。
そんな事ってありますか?
もちろんあってはならない事です! 当時の体験談を書かせて頂きます。
私が勤めていた会社
私が以前勤めていた会社について紹介します。
その会社は電化製品の修理を受け付けており、様々なメーカーの電化製品を受け付けていました。
私は修理受付をするコールセンター業務をしていました。
1日の大まかな業務の流れは
1.修理依頼のあったお客様に電話を掛ける。
(そこで「なんでこんなすぐ壊れるんだ!」とクレームを受ける)
2.製品の故障診断が終わったお客様に見積もりの電話を入れる。
(そこで「なんでそんなに高いんだ!」とクレームを受ける)
3.事務所にかかってきた電話を受ける。
(そこで「なんでこんなに修理に時間がかかるんだ!」とクレームを受ける。)
4.その合間に修理完了品の出荷準備(送り状作成、修理内容を書いた書類作成など)
5.定時に電話業務は終了。そこから電話した内容を入力。
6.電話した件数、修理完了品を出荷した件数をもとに1日の売り上げを計算する。
こんな感じです。
これらの業務が一人2~3社分あるので定時にはとてもじゃないけど終わりません。
当社のヤバいところのまとめ
埒が明かないので箇条書きにて失礼します。
・事務員が4人なのに電話が12回線ある。
・昼休憩、3時休憩(10分間)以外、勤務中にトイレに行ってはいけない。
どうしてもトイレに行きたい人はオムツでもしてろと言われた。
・勤務日初日に「うちは中小企業だから有休は使わないで」と言われた。
・タイムカード通りに残業申請しない。
・クレームのお客さんから「上司に代われ!」と言われても、課長代理は「俺、担当じゃない」と言って絶対代わらない。(私の上司じゃなかったらお前何なんだよ)
・エアコンの暖房機能が壊れているので冬の事務所は極寒。
ちなみに社長がいる部屋はぬっくぬく。
うーん、やっぱり中々やばいですね
次々と辞めていく社員たち
こんな会社なので、やはり多くの社員が逃げ出します。
この会社には繁忙期と閑散期が明確にあるのですが、みんな繁忙期に辞めるのは流石に気が引けるのか、閑散期になると続々と辞めていきました。
しかしながら、社長らは人員を足そうとはしません。
常務は社員にこう説明しました。
・・・・・・寝言かな?
そもそも繁忙期に手が空くときなんてありません。
常に120%の状態なのに、そのうえ他の業務も手伝うというのはどういう事か。
結局業務の分担も中途半端なまま時は流れていき、徐々に繫忙期が近づいてきました。
(こんな状態で繁忙期を乗り越えられるわけがない・・・・・・)
日に日に社内全体がどんよりと暗くなっていきました。
社長はその雰囲気を察し、一人の社員にこんな提案をしてきました。
そういうことじゃねぇよ!!!!
そして退職へ
明らかに無理な業務量、現場の事をまるで理解しない上司。
もうだめだと思った私は意を決して課長代理に退職願を提出しに向かいました。
私:「急で申し訳ありませんが、○月末で辞めさせていただきたいのですが」
課長代理:「いやいやいや!それは無理!それは無理っすよ!」
私:「いやいや。お願いします。受け取ってください!」
課長代理:「それは受け取れない!それは受け取れないっすよ!!」
このようにかなりハイテンションでモメたのですが、私の強い退職の意思により、なんとか予定通り退職する運びになりました。
良かった。これで逃げられる……。
しかし。
戦いはまだ終わらないのです・・・・・・。
消えた有給休暇
転職活動をするうえで面接はどうしても平日になります。
そこで有休の申請をしに課長代理のもとへ行きました。
私:「○日、休みをいただきたいのですが」
課:「何?なんで?」
私:「・・・・・・面接です。」
課:「(むすっとした顔で)考えておきます。」
流石に大丈夫だと思ったのですが……。
後日、給与明細を見ると、この日は有休ではなく欠勤扱いになりました。
駄目でしょコレ……。ちゃんと申請したのに……。
もうすぐ退職だし、事を荒げたくなかったので泣き寝入りしました。
しかし欠勤となった1か月後に、今度は体調を崩し2日間有給休暇を取りました。
そして退職まであと4日と迫ったある日。
突然私は課長代理に呼ばれます。
課:「あのさ、退職を申請した時点で有休は消滅するから。それは法律で決まっている。労働局に電話をしてそれが正しいことは確認済みだ。
つまり君には(以前病気で休んだ)2日分の欠勤がある。だからその分を残業しなくてはいけない。退職までの3日間、3時間ずつ(計9時間)残業していってくれ」
・・・・・・何言ってんだこのおっさん?
有給休暇が退職申請した時点で消滅・・・・・・?
欠勤になるからその分残業しろという対応も意味不明ですが、それ以上に腑に落ちなかったのは「退職を申請したら有給が消滅する」という言葉。労働局に確認したとか言ってたけど……
いや、絶対そんな法律ないよね?
とりあえず家に帰ってから色々調べてみまた所、以下の事がわかりました。
有給休暇の請求権は労働基準法第115条「その他の請求権」に該当します。
労働基準法第115条「その他の請求権」
この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、
この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。
つまり
有給休暇の有効期限は発生した日から2年と法律で定められております。
有休が消滅するのは退職してからであり、「退職申請日」とはどこをどう調べても書いていません。
にもかかわらず「退職します」と言ったその時点で有休が消滅するというのは、会社側の勝手な判断により有休の有効期限を短縮した立派な違法行為になります。
ただし、調べてみると体調不良で休んだ2日に関しては、当日連絡だったのでこれは欠勤扱いにしても違法ではないと思われます。
つまり、当日申請分は欠勤にしてもいいけど
「最後残りの3日は有休申請できねぇぞ!消滅してるからな!」
というのは明らかに違法行為です。
また、残業させる理由に合理性がなく、業務上必要のない残業を強要することも問題と思われます。
就業規則にも
「欠勤した分を残業で補わなければいけない」
なんて一言も書いていません。是が非でも抗議をしないといけません
ただの脅しだったようです
そして出勤。どうやって切り出そうか、と思っていたところまたもや課長代理に呼び出されます。
課:「残業はしなくていいことになった。定時で帰っていいよ。」
私:「…は?なんで急に変わったんですか?」
課:「いや、知らない。」
私:「じゃあ賃金減らされるってことですか?」
課:「いや、それもない。」
私:「???」
よくわかりませんがおそらく、
とりあえずこうでも言って脅しておけば最後まで休みを取らず来るだろう
という魂胆だったんじゃないかと思います。
何はともあれ有給分の残業はさせられることなく、無事に(でもないが)退職することができました。
ブラック企業に勤めて分かったこと:人間らしく生きられる会社に行こう
残業が多いとか、クレームが多いとか、それはそれで辛いです。
が、それに加えて上司が社員を人として扱っていなかったことが最も辛かったことです。
最近は残業時間を減らす取り組みが各所で行われていますが、ブラック企業の根源ってそこじゃないんだよね。
社員を物のように扱っているから、平気で法外な残業させることができるんです。
月並みですが
社員を大切にしているか
というのは、働く上で滅茶苦茶大切な部分です
もしも明らかに大切にされていない会社であれば、逃げ出すことを考えても良いかと思います。
ブラック企業に勤めているみなさんへ
「すぐに会社を辞めるなんて根性がない」
「仕事が辛いのは当たり前」
そう思う人もいるかもしれません。
私もそう思うところがあってすぐには辞められませんでした。
確かに、成功を収めた大企業の社長なんかは、若いころは必死に仕事を頑張って、毎日夜中まで仕事をしていた、という人もいるでしょう。
けれどそういう方と自分達が大きく違うのは、
そこにはそれ相応の待遇と、そして何より希望があったから辛いことも頑張ってこれたんだと思います。
ブラック企業には辛い仕事に見合った待遇もなければ、辛い仕事を乗り越えた先にある明るい未来への希望もありません。
耐えて耐えて耐え続けた先に何があるのでしょう?
そこにいる自分はどんな顔をしているのでしょう?
それを考えてみてください。
人それぞれ事情はあると思います。それでもどうか、無理だけはし過ぎないようにしてください。
最後に:少しでも勇気を与えられたら
正直今回、身バレ覚悟で寄稿いたしました。
街中で社長や常務に出会ってしまったら猛ダッシュで逃げるつもりです。
それでも捕まってしまったら「双子の妹です」で突き通すつもりです。
なぜそんな思いで寄稿したかと言うと、同じような境遇で苦しんでいる人が私の記事を読んでほんの少しでも勇気づけられたりしたらいいな、という思いからです。
ちなみに、転職して現在勤めているところでは有休も自由に使えるし
(しかも「気にしないでもっと使っていいよ」って言ってくれる!)
トイレも、もよおしてきたらいつでも行ける素晴らしい会社です(笑)。
さらに余談ですが、現在の会社に勤めて、時間と精神的な余裕が出てきたおかげで趣味にも時間が使えるようになりました。
ブラック企業に騙されないでください。
彼等は平気で嘘をつきます。今回の私の「有給休暇が消滅する」という話なんかはまさにそれです。
本人は「労働組合に確認を取った」とまで言っていますが、もちろんそれ事態も嘘です。ブラック企業は私達の無知に付け込んで、平気で自分達に有利な条件を押しつけます。
正しい労働基準法の知識を身につけましょう。
そして、社員を騙そうとするような会社からは、一刻も早く逃げ出す準備を行いましょう。
この記事を書いた人
名前:なりこ
2005年からダラダラとブログを書き続けています。
B’zファンなのでブログではB’zのライブレポや歌詞解釈などを気が向いた時に書いてます。
doaというバンドも応援しています。
ブログ:てるてるBo’z
Twitter:@lovely_pain15
管理人:☆←ヒトデの一言
- これが本当に自分に向いている仕事なの?
- 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
- そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
- 今の職場で駄目なのは才能云々では無くて、ただ単に自分がポンコツなだけなのかな……
そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします