こんにちは、Yukiと申します。
新卒でSEとして就職したIT企業を長時間労働に耐えかねて半年で退社し、その後とある幼稚園に事務職員として入職したものの、さらなるブラック労働環境だったために5か月で辞めた27歳女性です。
今回は2つ目の就業先である幼稚園での経験について書かせて頂きます。
今思えば、この幼稚園は最初からおかしかった
この幼稚園のおかしさは、早くも採用面接の時点で感じていました。
職員は制服を自費で購入するのが必須で、値段は1着2万円だと言うのです。既製品ではなく手作り感のあるエプロンのようなものなのに、どう考えても高すぎる。
あとでわかったことですが、この制服は園がブランド物の布地を購入し、園長の知り合いの方に縫ってもらい、その方に「縫製代」を支払っているためにこの値段になっていました。
おかしいなとは思ったものの、面接で話した相手はこの園を「とてもいい職場!」としきりに褒めていました。
私は自己紹介も何もなかったその30代くらいの制服を着た女性を「きっと現場の先生だろう」と思っていました。
その人が
「ここは女性ばかりだけど派閥みたいなのもないし、ストレスが全然ない素晴らしい職場!みんな本当に幸せに働いてる!」
と言うのを聞いて
「実際に働いている人がそう言うのなら、いい職場なのかな」
と思ってしまいました。
そして購入するものは制服だけなのか、ほかには無いのか確認したところ「無い」との返事だったので入職しました。
しかし入ってみると、面接で話したこの女性は園長の娘で、副園長だったのです。そりゃあなたはストレスないでしょうよ。
しかもこの副園長先生は、保育や幼児教育関係の資格や実務経験を持っておらず、園長の娘というだけで副園長になっていました。
資格がなくても長になれるとは知らなかったので驚きましたが、保育・幼児教育業界では家族経営(特に女系家族で代々経営すること)がとても多いようです。
もしご興味があれば、近隣の適当な園のホームページの「沿革」などのページを見てみてください。園長は代々同じ苗字の、女性であることが多いのがわかります。
入職してすぐ、暑い日に私が外で作業をしていたら、副園長が
「暑いでしょ、これ使って!」
と言って、返事も聞かずに私の頭に帽子をかぶせてきました。職員が全員同じ帽子を使っていたので、支給してくれるのか~と思っていたら、後になって帽子の購入費を請求されました。
もう使用した後なので、返品するわけにもいきません。
面接では購入するものは制服だけだと言われたのに、事実は全く違って、制服2着に加え、結局この帽子や上靴などを購入。
お金を稼ぐために就職したはずなのに、かかった「初期費用」は総額4万円以上になりました。
想像を絶する幼稚園の現場の実態
入ってみると幼稚園の先生たちというのは本当に忙しく、朝送迎バスに乗って園を出るのが一番早いコースで7時半、仕事を終えるのは20時から23時頃という状況でした。にも関わらず、残業代は1円も出ませんでした。
それまで私は保育や幼児教育の世界の知識や経験は全くなく、ここで現場がいかに大変か知りました。
小さな子どもを相手にする仕事は、本当に1秒も休憩がありません。
子どもがいる間の時間は
- あっちであの子が吐いたとか
- お漏らししたとか
- 転んで泣いてるとか
- ケンカが始まったとか
- 発熱してるっぽいから保護者に電話しないといけないとか、
- 保護者からクレームの電話がきてるとか
本当に慌ただしく次から次へと色々なことが起こります。
私は事務職員で幼稚園教諭ではなかったのでまだマシでしたが、職員数10名足らずの小さな園だったので、よく手伝いに駆り出されました。(それはいい経験になったと思っています。)
子どもたちが帰った後も
- イベントの準備
- 工作の用意
- 翌日植えるトマトの苗の準備
- 季節ごとの教室の飾りつけ
- 園外活動の準備や予約
- 安全かどうかの下見
等々、やることは山のようにありました。
おたより帳へのコメントや翌日の活動計画の作成がなぜか手書き必須であるなど、業界特有の非効率さも散見されました。
このような子どもを相手にする仕事の大変さは、ある程度仕方ない部分もあるのかもしれません。
しかしここではさらに「全て園長にOKをもらわなければならない」ということが、著しく効率を下げていました。
運動会で踊るダンスの曲も、工作で作るものも、サンプルを見せたりして園長に許可をもらわないと、先の準備に進めません。
おたよりの文面の一字一句まで、園長・副園長が気に入らなければ書き直しでした。
週末をまるまる使って家で縫ってきたお遊戯会の衣装を「全然ダメ」と却下され、作り直しになる先生たちを見て、自分だったら耐えられないと思いました。
そうやって事前確認を義務付けるのに、園長は好き勝手に美容院や歯医者に出かけて行くのでなかなかつかまらないとか
「2人以上連続で見せに行くのはダメ」
という謎のルールとか、言うことが昨日と今日で違っているとか、直前になって大幅な変更を指示してきたりするということが日常茶飯事で、現場は翻弄されまくっていました。
何故か幼稚園で宗教を押し付けられる
さらに行事の前後は、ただでさえ忙しいのに、「神社へのお参り」という謎の業務が発生します。
これは
「山への遠足や海での海水浴などの行事の際は、必ず前もって神社で神様にお参りしなければならない」
という園長の命によるものでした。
そして終了後には再び
「無事に行事を終えられたことへの感謝」
のお参りに行かなければなりませんでした。
これらを休日などの勤務時間外に、無給で行うのです。始業前に5分間体操させてたなんてもんじゃありません。
園長曰く
「神様への感謝が何よりも大事、それをしっかりしているからこの幼稚園は守られてる」
らしいのですが、そんなに大事なお参りならご自分でされたらどうでしょうか。
この園長は宗教的なことを大事にする人でした。
幼稚園では、園自体が休みになる関係で比較的長い夏休みがもらえるのですが、夏休み中のある日、私の携帯に園長から電話がかかってきました。
どうやら私がお盆のピークを避けて実家に帰省する予定であることを聞き付けたらしく
「あなたお盆が終わってから里帰りするつもりなの!?ご先祖様の魂が帰ってくるのは〇日なんだから、この日に帰ってないと意味がない。この日に帰りなさい!」
と言われました。
この園では「職員はみんな家族である」と言っていましたが、それは「プライベートにも干渉する」という意味でした。
このときは本当にうんざりしてしまい、夏休みが明けるのがとても憂鬱になりました。
残業代が出ないだけでなく、お金がとられていく
さらにここでは残業代が出ないだけでなく、毎月の給与から何の説明もなく5,000円の「積立金」が引かれていました。これは何だったかと言うと、次のようなことに使われていました。
- ほぼ毎月職員全員で行う食事会の費用
- 保育園の保護者会会長や近隣の幼稚園に送るお中元の費用
また、あるときは園長が「Kさんのご主人が亡くなった」と言うので
(Kさんって誰やねん)
と想いながらも、園の関係者かと思い、求められた通りに職員でお香典を集めて提出したところ、園長の自宅のお手伝いさんだったということもありました。
残業代は出ない上に、納得できない形で自分のお金が吸いとられていく…。不満が積もり積もった頃、今度は園のオリジナルのシャツを購入するように言われました。値段は5,000円。
私は、面接のときに確認した「購入するのは制服だけ」というのと話が違うということ、これ以上は1円もお金を出せないということをはっきりと言いました。とてもモメました。
「あなただけ購入しなくていいことにすると、すでに買ったほかの職員に対して不公平だから」
と言うので
「だったらすでに購入した人たちには返金して、園から支給したということにしたらいいのでは?」
と意見すると、逆鱗に触れてしまったようで、その後は色々ここに書けないことがあって大変でした。
しかしこの件で私が驚いたのは、園側よりもほかの職員たちの反応でした。職員が強制されていた物品の購入を、初めて私が断ったので、私はきっとみんなから称賛されるだろうと思っていました。
でも実際には
「なんであなただけ買わないの?」
「私たちも買ったのにおかしくない?」
と言われました。私はわけがわかりませんでした。
あなたたちは被害者なんだよ。
苦しんでいるはずの人たちなのに、苦しみを止めようとする人をどうして批判するのか。
どうして「私たちも苦しんだんだからあなたも苦しめ」と言って首を絞め合うのか。苦しめられているはずの人たちが、苦しみを再生産している。
「買え」という方がもちろん悪い。
でも文句一つ言わずにそれに従って、勇気を出して声を上げた人を攻撃するこの人たちも、ブラックな環境の一端を担っている。私が声を上げていたら少しは全体の環境が良くなるかもと思っていたけれど、もう救いようがない。もう疲れた。ここで頑張る意味はない。見切ろう。
そう思って、辞めました。
おわりに:幼稚園の勤務環境がもっとよくなりますように
正直5か月でも「長く居すぎたな」と思っています。毎日呆れるようなことばかりあって疲弊してしまったので、もっと早く辞めればよかったです。
未来の日本人を育てる幼稚園の実態がこんなだったので日本の未来が心配です。
ブラック企業で耐えて働き続けることは、その事業所を存続させることです。ブラック企業で働く限り、多少なりとも、あなたもそこに加担していることになってしまいます。
そんな場所に労働力を提供して、養分を与え続けてはいけない。
そしてブラックなマインドは伝染します。
私は今、お金は全然ないけどストレスフリーに生きているので、コンビニで前の人の会計に時間がかかっても、鼻歌歌って待ってられます。
でも長時間労働をしていたときは、「早くしてよ!昼休みが減っていくじゃん!」と思ってイライラしていました。
そういう態度は店員さんや接する周囲の人に伝わって、その人にストレスを与え、伝染していきます。
だからブラック企業を去ることはブラックマインドの伝染を絶つことでもあります。
インフルエンザのときに学校に行かないことと同じぐらい、みんなにとって有益なことです。社会的意義の大きいことです。
ブラック企業の存続を阻止し、苦しみの連鎖を止めるためにも、胸を張って、辞めたらいいと思います。
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この記事を書いた人
名前:Yuki
新卒で入った1社目を半年でやめ、さらにブラックだった2社目を5か月でやめた逃げスキルの高い27歳。
現在はブログで世の中に物申したいことについてマンガやイラストつき記事(そしてその他どうでもいい事)を発信している、戦う絵描きです。
ブログ:お絵描き中!
Twitter:@yuki_2_2_2
管理人:☆←ヒトデの一言
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そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします