- 日本企業は結局、年功序列で昇進が決まってしまい、実力で評価してくれない!
- タバコ休憩ばかりしているおっさんが昇進する理由がわからない!
- 仕事できないくせになんで課長でいられるんだ?
- 日本企業の人事評価はクズだ!
- 外資系ならきっと評価してくれるだろうから外資系に転職するぞ!
でもその決意、ちょっと待ってください。
外資系が実力主義とは限りません。
一般的に外資系と聞けば実力主義で、人事評価が公平なイメージありますよね?
私もそう思って外資系企業に転職しましたが、実際にはいくら会社に貢献しても実力は一切評価してもらえませんでした。
むしろ中途採用者がでしゃばるな!という具合にひどいイジメにも遭いました。
外資系でも実力主義ではない会社もあるのです。
転職先を外資系にしたい方に読んでいただきたいです。
外資系なのに年功序列が健在!
外資系とは日本国内にある外国資本の会社であるため、必ずしも海外にある本社の人事評価がそのまま日本国内で実施されているとは限りません。
私が入社した外資系企業は、旧態依然とした年功序列制度が健在でした。
私は、世界的に有名な大手スーパーチェーンの花形である、商品部に中途採用で入社しました。
周りのデキる社員に負けないように、とにかくがんばりました。
中途採用なので、社内のルールやオキテは知らずに外資系という表面的なイメージを抱いて仕事に励んでいた時に気付いたのです。
「あれ?この会社の上下関係なんかおかしくない?」
と。
外資系は実力主義だと思っていたのに、上司は年配のおじさんのみ。
外国人は社長と役員だけ。
入社後に社員の年齢を知っていくと、年功序列によって組織化されていることに気づきました。
この会社は入社歴によって出世していく制度、いわゆる年功序列が健在で、実力があっても若いうちは出世できない仕組みでした。
さらにおかしなことがあります。
「年功序列は廃止して実力主義で評価します」
と人事部が声高に宣言していたのです。
表向きは年功序列は廃止して、年齢は関係なく実力があるものが出世しますと言っておきながら実態は年齢や社歴で評価しているのです。
人事評価する上司がすべての部署で年配のおじさんです。
社歴が長い年配のおじさんが年下の人事評価をする仕組みとなっているので、彼らより高評価をつけられることは絶対にありません。
直属の比較的若い上司が高く評価してくれたとしても、最終評価で下げられてしまいます。
なぜか評価基準表にも年齢や社歴の項目がありました。
そのことについて誰も文句を言えない空気感があり、気づいてもいない、疑問にすら思っていない人もたくさんいました。
ある年、私が人事考課のフィードバックを受けた時に上司から言われたことは
「中途採用者は実力を発揮しないと出世できない。でも実力を発揮すれば1年で部長になれるから頑張れ!」
でした。
私に実力があっても、私を評価するのは上司で、自分の地位を中途採用の年下の女に譲るはずがあるでしょうか?
私は、上司の言葉を信じて、会社に貢献し莫大な利益を上げました。
部長が部下にパワハラしてストレス解消している間に、私は数億円の利益を生みました。
でも評価は「C+」判定。
社内での経験不足が評価をマイナスにした原因だと言われました。
しかし、逆の意味で実力主義な点があります。
数億円の利益を出さなければクビにされるところだったのです。
「Cー」判定が2回つくと降格になります。
私は必死に売り上げを上げて「Cー」判定にならないように努力しました。
社歴が5年くらいのとても優秀な先輩より、1時間のうち45分間をタバコ休憩に費やす上司の方が評価が高いのです。
その上司は「タバコ部屋で情報収集している」ことが高く評価されていました。
外資系なのに土日も自宅勤務
上司がいかに無能でも、私たちはどんな命令も聞かなければなりません。
ノリは中学校の部活と変わりません。
ある上司はホッチキスマンといわれていました。
その人の仕事は部下に書類を全て作らせておいて、最後にホッチキスで留めるだけ。
そうやって作成された書類はホッチキスマンが作った資料として上役に提出して評価され、ホッチキスマンはさらに出世していきました。
上司は部下にほんの数秒一言命令するだけですが、命令された部下は何日もかけて資料を作らなければなりません。
上司の気分や役員の思いつきで指示がかわることもあるので、その都度資料は作成し直しです。
締め切りが設定されていても
「今日中に提出しろ!」
と言われたら、何時間も残業して仕上げていました。
月曜日までに提出するように言われたら、当然土日に仕事をする必要があります。
しかし、社内への入館は厳重に管理されているので、時間外で勤務するとすぐにバレて評価を下げられます。
なので土日は、私も基本的に自宅で仕事をしていました。
大手スーパーなので24時間365日誰かが店舗で働いています。
私の職務では夜間の問い合わせはなかったのですが、土日でも日中は普通に問い合わせがあるので常に対応できるようにしていました。
そのおかげで不測の事態があってもなんとか回避できたので、評価を下げられずに済みました。
外資系企業のセクハラ部門担当者がセクハラ当事者
奥さんが取引先の重役だという理由で出世している部長がいました。
何をしても処罰されない地位を確立していたので、お酒の席では女性社員を両脇に座らせ、肩を抱いてお酌やカラオケを強要していました。
完全なセクハラですが、誰も何も言えないのでやりたい放題。
しかもその部長はセクハラ対策部長も兼任しているため、セクハラを報告しても、もみ消せることを自慢している始末でした。
会社はそんな部長を放置するどころか、仕事ができる優秀な社員だとして高く評価していたのです。
私はその部長の行動があまりにも酷いと感じたので、数人でチームを組んで英文メールをアメリカの本社に出しました。
その結果、日本法人の役員たちも重い腰を上げてその部長は降格処分。
しかし1年後、別の部署で見事に返り咲き、翌年さらに上位職種へ出世していました。
会社が気に入った社員は何をやっても評価され、どうでもいい一般社員は辛口評価で年功序列を強いられます。
みなさん一流大学を卒業している方ばかりなのに、善悪の判断が全くできていませんでした。
外資系企業の外国人役員に気に入られて出世する通訳
私が入社した外資系は英語を使うことなく普通の日本企業のように働けました。
しかし、社内の外国人に対しては通訳を通さず、直接英語で会話するようにしたほうがいいです。
私が勤めていた会社の本社はアメリカで、役員の8割は外国人です。
彼らは日本語が全く話せないのでそれぞれの役員に通訳がついています。
そして、通訳で入社する人は入社直後に一般社員より高い役職に就きます。
本来は社歴によって評価されるのですが、通訳だけは役員の判断ですぐに役職がつくだけでなく、派遣社員の通訳であっても希望さえ出せば即日正社員に昇格します。
通常大卒の新卒しか取らない会社でしたが、私のような高卒でも中途採用されることが年に1~2人程度あります。
ですが、中途採用は2年間時給で働くパート勤務が条件です。
なので私は2年間パート勤務をしてから社員になりました。
しかし、通訳の人たちはパート勤務をせずとも即日正社員になれます。
外資系は英語力が必須なイメージがありますが、この会社は日本人ばかりなので英語力は必要ありません。
部長連中も英語が話せない人ばかりです。
私も英語力を求められず入社しましたし、勤務中に英語は必要ありませんでした。
ですが、役員と英語で会話できる人は、たとえ世間知らずで常識がなく仕事が全くできなくても高く評価されていました。
優遇される通訳は自分が仕事ができると勘違いをして、あれこれ命令をしてしまうため、一般社員から嫌われる存在でした。
役員の発言に自分の気持ちを上乗せして通訳してしまうことも頻繁にありました。
役員の方は日本語がわからないので絶対に気づきません。
外資系に勤務する場合、英語力を問われなくても聞き取れて理解できる程度の能力は備えておくほうが身のためです。
社内にいる外国人と会話ができれば出世のチャンスです。
英語力が高ければ高いほど出世できる可能性が広がりますので、英語で話せることは大切です。
外資系企業の日本法人は外国人役員のための会社
外国人役員はほとんど出社しません。
年間200日程度の休日があり、月に3日しか出社しない人もいました。
住居は都内一等地の高級マンションで、送り迎えのハイヤー付きです。
帰国費用は会社持ちで、月に何度も帰国する役員もいました。
これらは全て会社経費なので、役員たちの生活費は食費や交遊費くらい。
しかも給料は年収2000万円以上。
私たちは交通費の申請でさえ領収書がないと却下されます。
領収書が必要なのは当たり前のことかもしれませんが、領収書をもらえない田舎の交通機関もあるのです。
役員たちの経費申請は全て秘書が代行するので、私たちのような苦労は不要です。
私たちは仕事で使うボールペンや消しゴムですら、会社経費で購入できずすべて自腹。
コピーの枚数すら管理して、仕事で使う備品も買ってくれないのに、外国人役員には
湯水のように経費を使用していました。
私たちはボーナスももらえないのに彼らは出社しなくても莫大な収入を得ています。
それが外資系役員の標準的な条件であったとしても、気持ち的に納得できませんでした。
外資系企業の闇!労基法に抵触するみなし管理職制度
どれだけ仕事を頑張ってもなかなか作業が終わらず、残業したくても厳しく規制されているので残業代で収入は増やせません。
私の役職は残業が規制されているとはいえ、申請が通れば残業は可能で、残業手当も出ました。
しかしひとつ上の役職からは、残業がつかない「みなし管理職」になります。
なんの権限も無い「みなし管理職」が全体の8割もいました。
みなし管理職制度が労働基準法に抵触することが発覚した時、役職をひとつ設けてこれまでみなし管理職だった人を実質降格させることで、規制逃れをしていました。
今ならすぐに労働基準監督署に密告しますが、当時は会社への忠誠心がありすぎて密告しようとは思いつきませんでした。
会社にいるとどうしても連帯感を持ってしまい、会社に対して採用してくれた恩を感じてしまいます。
その気持ちが不正を見逃すことになり、善悪の判断もつかなくなっていました。
外資系なのに派遣差別
執務室だけでなく、食堂でも派遣差別がありました。
ニュース等で一時騒がれたことをきっかけに解消されましたが、派遣社員は社員食堂の値段が正社員より高く設定されていました。
正社員には交通費が支給されますが、派遣社員には支給されず、派遣社員は社員集会にも出席できません。
社員会議に出席した人も派遣社員に会議内容を全く説明しないので、社員集会で決まったことを知らされないまま突然の指示命令に戸惑う方が多いです。
社内報もメーリングリストも派遣社員は外されているので、上司が情報共有してくれないと何も知ることなくただロボットのように指示命令に従うのみです。
しかし、派遣社員への評価は厳しく、社員から気に入られないだけで契約終了になります。
どの会社でもそうかもしれませんが、あまりにも派遣社員を適当に扱いすぎていると感じました。
一方で、派遣社員を大事にしてくれる部署もあり、そこへ配属された派遣社員は長く勤めることができました。
私はできる限り派遣社員に内緒で情報を共有していました。
メーリングリストならBCCにして送信するとか、食堂では私が代わりに買ってあげるなど。
派遣差別は正社員にとっては気持ちがいいものなのかもしれません。
自分より下の存在が救いになる気持ちもわかりますが、同じ職場で同じ仕事量をこなす派遣社員を適当に扱うのは人としてあってはならないことだと思います。
外国人差別を許せないと言って声を上げる人でも派遣差別は当然の権利として行使しています。
ボランティアに熱心な社員も派遣差別を容認していました。
派遣社員は道具ではありません。
同じ職場で働く仲間として扱ってもらいたいです。
さいごに:外資系という言葉に惑わされないように注意
私が勤めていた会社はテレビCMも流れている有名外資系企業でした。
しかし一般社員の待遇は零細企業並みのもので、福利厚生施設も長期休暇もありません。
表向きは働きたい会社ランキングで100位以内に入るようなアピールをしていますが、実態はただのブラック企業です。
外資系でも日本人気質が抜けない会社もあるので、ネームバリューに騙されないよう気をつけてほしいと思います。
外資系に入社を希望している方は、同じ大学出身の社員から情報をもらったり、インターンシップで会社の空気感をよく観察してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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