ご覧いただき、ありがとうございます。
私は矢駒と申します。前職は税務署で、高卒で採用されから12年
在職中も退職後も転職活動は一切せず、現在は自営業の名を借りた
公務員、それも税務署職員と言えば
- 仕事時間は8時間きっかり
- 残業無し
- 給料安定
- 将来安心
こんなイメージがあるかもしれません。
しかし、実際の公務員は激務であり、残業が100時
私もその一人であり、
と言いたいところですが、私は幸運なことに残業をするのは確定申
むしろ最後の1年については終業時刻の5分後には職場後にしてい
ですが、私はそんな仕事を捨て、退職をしました。
『公務員』、『残業ゼロ』の仕事を辞めるのは「もったいない、
ですが、
- 税務署の仕事が大変だったのか
- 実は公務員の待遇は良くないのか
- 公表されていない闇が隠されているのか
この記事に私の公務員人生の流れを集約しました。
是非ご覧ください!
1 税務署の組織と仕事の内容について
最初に簡単に私が働いていた税務署の組織についての説明をします
説明不要な方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。
⑴ 税務署は一番末端の組織
税務署の組織は財務省を頂点とした国の収入(歳入)
財務省を頂点とする組織のピラミッドで財務省以下は
国税庁⇒
の順番であり税務署はピラミッドの最下層に位置し
(国税庁HPより引用)
末端である税務署には当然ながら権限がありません。
民間企業でも孫会社が子会社に、子会社が親会社に意見を言うこと
唯一民間企業と違う点としては、法律により上司(上の組織)
具体的には、上の組織(税務署からみれば国税局や国税庁)
公務員が
- キャリア組
- ノンキャリア組
に区分けされていることは有名ですが、ノンキャリ
税務署を例にしましたが、国家公務員全体が法律の対象なので、
⑵ 業務は事務作業と調査と税金徴収
税務署の仕事は区分しますと
- 申告の内容が誤ってるかを直接確認する調査事務
- 納付する税金を回収する徴収事務
- 申告の補助をしたり、申告の内容をチェックする内部事務
この3種類に分類されます。
税務調査
納税者の自宅を訪問して申告内容を確認したり、
徴収事務
税金を滞納している人への納付指導や、
内部事務
提出された申告書が合っているかチェックしたり、
私は税務署職員時代ほとんどを内部事務担当として勤務してました
⑶ 確定申告期以外はそこまで忙しくない
税務署が最も忙しくなるのが確定申告の時期です。
確定申告には毎年約600万件の申告書が提出されますが、
私も基本的には残業を一切していませんが、
といっても、40時間~60時間程度です。
2 税務署と他の公務員との違う点
⑴ 国家公務員と地方公務員は意外と意外と違うジャンル
公務員と一括りにされますが、国家公務員と地方公務員とでは仕事
私の感覚からすれば慢性的に忙しいのは地方公務員です。
税務署の組織も国税局や国税庁、
⑵ 税務署職員は他の公務員より給料が高い
公務員の給料は俸給といって、
一般的な公務員は行政職の俸給表で計算をしますが、
税務職の俸給は行政職に比べて1割程度給料が高いです。
これは税務の仕事は国の歳入を司る業務であり、
また、国家公務員には地域手当という手当が存在し、
具体的には、東京23区内にある税務署勤務であれば地域手当が2
⑶ 定年退職時にはほぼ100%税理士の資格が取得できる
税務署勤務の一番のメリットかもしれません。
部内試験と研修の修了は必要になりますが、
私は12年で退職したので税理士資格は所持していませんが、
税理士試験は複数の科目に合格しなければならず、
これを勤めているだけで取得できるのは税務署の特権です。
3 税務署に勤務して良かったこと、メリット
⑴ 税法の知識と税金について知れたのは大きい
私は資産課税部門という主に相続税・贈与税を担当する部門に配属
高卒で採用されたのもありますが、公務員になるまでは相続税・
会社員が直接税金の手続きをすることはほとんどありません。
税務署関係の税金ではふるさと納税や医療費控除、ローン控除くら
なので、同世代の人間の中では突出して税金の知識があるので、仕
⑵ 富裕層の人と対等に話せた
税務調査は悪質な納税者や申告していない納税者に対して行うイメ
富裕層と聞くとなんだか悪いイメージがありますが、実際には知的
(もちろん変な人もいましたが(笑))
ごく普通の家庭で育った私は税務署に勤務していなければ、
また、
⑶ やっぱり偉大な公務員ブランドと安定
なんだかんだで公務員ブランドは健在です。
仕事なんですかと聞かれ「公務員」
(「税務署勤務です」
また、
自分の人生と言っても高校まで何不自由なく育ててくれたのは家族
公務員に就職したことで少しは恩返しはできたと思いました。
収入面においては公務員は給料の増減の波が少ないです。
公務員の給料は民間企業の給料状況を反映させるので、
現時点ではリストラのリの字も話題にならないので、法を犯さない
4 税務署に勤務して悪かったこと・デメリット
⑴ 圧倒的敵対心との対面
正直、「税務署の職員です」と言って喜んでくれる人は身内の人か
税務署に対して良いイメージは誰も持っていませんよね。
税務署が法律を作っているわけではありませんが、
お金を納める人が直接的に恩恵を受けるわけではないので、税務署
(国税庁長官が問題を起こしたときは見事に飛び火しました)
特に大変なのは確定申告期と税務調査の際に対応です。
確定申告期はさまざまな人が来署します。
意見の食い違いによる苦情は毎日のように発生し、申告会場で誤指
調査事務においても「何で俺が調査受けなければいけないのか」
『仕事』といえばそれまでですが、何度も何度もネガティブな言葉
私が特に嫌だったのが、申告内容に誤りのある納税者に対して、修
悪質な人であればそんな気持ちにはなりませんが、
そんな人達に税金を納めてもらう指導をするのは何度やっても慣れ
⑵ 1~3年で確実に転勤する転勤族
国家公務員の税務署職員は転勤族です。
税務署の職員は全国の10の国税局と沖縄国税事務所のいずれかで
私は東京国税局採用だったのですが、東京国税局の管轄は千葉、
この管轄内であれば全ての税務署に勤務する可能性が毎年あります
例えば、千葉県の館山税務署(千葉県最南端)
一応職員の勤務地希望は提出できるのですが、
また、国家公務員は公務要請に従う必要がありますので、組織が「
それを毎年7月に必ず経験するのは精神的に辛く、折角アパート借
それに加えて問題になるのが給料です。
先ほど地域手当の話をしましたが、東京23区は地域手当は20%
つまり、東京23区から館山税務署へ転勤になると地域手当が20
当然仕事内容は変わりませんし、
それなのに2割給料が下がる。
結構辛いです。
⑶ 超アナログ&非効率的作業
税務署の作業はアナログです。
e-Taxは推進していますが、
部内の仕事でもアナログは同様で、紙での決裁は当たり前、
「電子決裁をしますのでお願いします」
また、
更に、何かについてチェックや決裁が必要で、
極めつけは不適切事例。
ニュースで行政機関が「再発防止に努めます」
このコメントをマスコミ向けに行うと、再発防止策を講じるアピー
それが最悪で、現在郵便物を1通発送するのに、担当者、
頭おかしいですよね。
正直小学生でもここまでの防止策はしないと思います。
まぁ、それでも不適切事例は発生してしまうのですが…
⑷ 異常な程の飲み会の頻度
ある意味、税務署勤務で一番嫌な時間でした。
みなさんの会社はどのくらいの頻度で飲み会を開催しますか。
半年に1回、
月に1回、
税務署は週5回飲み会が開催されます!
流石に全部の部署が週5で飲み会はしていませんが、
私も実際に週5付き合わされた経験もありますし、
3時間は当たり前、下手すれば毎回終電です。
別に接待ではありません。ただの身内の飲み会です。
それくらい飲み会は好きの職員が多い職場です。
もちろん断ることもできますが、
仮に全て断ったら昇進はしませんので覚悟が必要となります。
5 具体的に私が国家公務員である税務署職員を辞めた理由
⑴ 税務署職員として調査事務は避けられない
税務署の組織は税務調査が最優先事項であり、税務調査をしない職
また、自分が希望していなくても調査担当になることはありますし
私は調査が嫌でした。
調査がたとえ正しくても、対面する人が嫌な思い・
それに耐えきれず20歳で心身を壊し後遺症は今も残っています。
ですが、私が担当していたのは評価を全くされない内部担当だった
⑵ 公務員の処遇が良くなる未来はありえない
公務員は国家が転覆しない限り職業として残ります。
しかし、これ以上公務員の給料や待遇が良くなることはありえませ
短期的にみれば景気が回復して給料も上がる可能性はあります。
でも、これからは超少子高齢化社会です。
働き手が減少し、社会保障費などの歳出(支出)は増加します。
そんな状況になれば、
将来公務員の給料は必ず下がります。
定年も60歳でしたが年々延長され、今30歳の人は定年が75歳
そうなると定年年齢の上限が上がるほど先輩・
30年40年経過しても先輩・
そんな悲観的な公務員人生に私は未来感じることはできませんでし
⑶ 人生の生業とする職業にはできなかった
税務署は特別な働き口です。税務調査をできる仕事なんて他にあり
(自治体の一部くらい)
税務調査が生きがいの職員はいますし、
それが私にはありませんでした。
自分が何を目的に生きていきたいかを考えた場合、あと30年・
いえ、そんな未来は想像したくありませんでした。
6 税務署職員を辞めるまでの流れ
⑴ 年に1度の身上申告で正直に気持ちを伝える
税務署では年に1度勤務地と仕事の種類についての希望を言う機会
希望はあくまでも希望なので、叶うことはないのですが、
私は、長年退職するか悩んでいたので、上司との面談で
「
辞める前提であれば問題はないですが、当然「やる気がない発言」
なので、退職するか決めかねている場合には直前まで辞めたい気持
⑵ 税務署職員は縦社会!辞職願はできるだけ上の役職の人へ申し出る
私は税務署のナンバー2である副署長に直接「辞めたい」
形式的な辞表の手続きは総務課が手馴れてますので、辞める場合は
税務署のナンバー2である副署長に直接申し出た理由は、
(上司の命令に従う義務の発動‼)
辞めることへの覚悟は何度も確認されましたが、事前に「
⑶ 税務署を辞めるのは繁忙期以外に
辞める人間が辞めたの職場を考える必要がないと思うかもしれませ
一つ目が慰留されるのを防ぐことです。
公務員は職員数は多いですが、柔軟に配置替えができません。
なので退職=欠員との状況が作り出されるため、上司は困ります。
そうなると司としては繁忙期はなんとか人員を確保しておきたいの
逆に区切りのいい時期(12月や7月)
二つ目は残った職員への配慮です。
なんだかんだで苦楽を共にした同僚がいる中、
私は人の嫌な顔をみるのが嫌だったので、
⑷ 私が税務署を辞めたタイミング
私が辞職を申し出たのは6月の中旬で、
通常は2か月、遅くても1か月前には申し出た方がいいです。
かなり急な申し出でしたが、
7 もし税務署職員から転職したらなこんな転勤先があった
⑴ 税理士になる予定がないなら税理士事務所はオススメしない
税務署を退職してアルバイトとして働くならいいかもしれません。
ですが、税理士資格がない又は取得予定がないのなら、税理士事務所
定年退職した元税務署職員の大半は税理士資格を所持しています。
資格を持っていない元税務署職員はその時点で税理士資格を所持し
⑵ 事務職なら公務員が一番給料は高い
税務署勤務を事務職として考えるのならば、
私の退職した前年の給料が500万円でしたが、
なので、
⑶ 異業種に飛び込むほど自分の価値は跳ね上がる
難しいですし、大変だと思いますがキャリアアップを考えるなら、
税務署の同業者は税理士界隈の人ですが、試験を合格して税理士に
それならば『今の仕事×やりたい仕事』の掛け算を考えるべきです
例えば、トラック運転手も看護師を職業にする方も沢山います。
ですが、看護師を経験したトラック運転手はいますでしょうか。
いるかもしれませんが割合はかなり少ないはずです。
税務署職員であれば、
学校で勉強する塾はありますが、税金やお金を教える塾は存在しま
これからの社会を考えた場合、
需要はあるけど、供給は無い
そのような仕事を見つけて働くのも一つの選択肢です。
⑷ だから私はフリーで働くことにした
結局のところ、私は会社員や公務員といった仕事には向いていませ
人の嫌な顔を見るのもキライです。
人に押し売りをするのもキライです。
非合理的な行動もキライです。
それならば自分でその道を切り開くしか選択肢はありませんでした
私は人が笑顔を見るのが好きです。
自分の考えや経験が他の人々の人生にいい影響を与えることを仕事
現在日々ブログしか書いていませんが、1年後3年後にはブログを
私が苦しんだり悩んだ経験を今悩んでいる人に活かしてもらいたい
そして、その人達の人生が豊かになってほしい。
それをこれからの仕事としていきます。
おわりに:一番大切なのは「自分の頭で考える」こと
公務員は会社員と同じくらい抽象的な言葉です。
同じ公務員でも学校の先生と自衛隊では仕事内容も環境も全く違い
なので情報を集める場合、『公務員』ではなくもう少し細かい部分
数は少ないですが、
残業が無くても今の仕事にやりがいが無いのなら転職するのも選択
他人の目は関係ありません。
私は退職しましたが、退職だけが唯一の道ではありません。
公務員を12年も続けてきたのも、
皆さんが勤めている仕事に魅力を感じているのであればそのまま続
応援しております。
最後に、転職や退職をする際に最も大事なのは『
どんなに素晴らしい講演を聞いても、
現状に不安や不満があるのならまずそれを紙に書いてください。
そしてその悩みについて、1日5分だけはそれだけについて考えて
これをやるだけで人生は変わります。
この記事が皆様のお役に立てたのならこの上ない幸いです。
長文お読みいただきありがとうございました!
この記事を書いた人
名前:矢駒
職業:元税務署職員のブロガー
高卒で12年勤務した税務署を退職し、
ブログで成果を出した後、
ブログ 『矢駒の人生再出発!』
Twitter 『@chibayakoma』
管理人:☆←ヒトデの一言
- これが本当に自分に向いている仕事なの?
- 本当はもっと自分が活躍できる場所があるんじゃないの?
- そんな風に考えて今の職場で力を発揮できないのは自分の甘えなの?
- 今の職場で駄目なのは才能云々では無くて、ただ単に自分がポンコツなだけなのかな……
そんな悩みを持っている方向けに
自分の強みを知って、自分に向いている仕事の見つけ方
をお伝えします